家電像を覆す革新的なデザインを具現化してきたダイソン

ダイソン
ダイソンのコードレスクリーナー

英国のダイソンといえば、従来の家電像を覆す革新的なデザインやアイディアを具現化してきた。そのダイソンがEV(電気自動車)市場に参入するという。EVはよく指摘されているように、ガソリンエンジン車などと比べて部品点数が大幅に少なくすむ利点があり、コモディティ化しやすい。
 

参入しやすいEVではあるが課題は?

一方、従来型自動車といえるガソリンエンジン車などは少なくても約3万点(数え方によっては10万点など、もっと増える)の部品から構成されていて、1万点といわれるEVは確かに少なく感じられる。近年は勢いが急減速しているという中国のエコカー大手「BYD」も、かつてEVで急成長できていたのは、豊富なノウハウや知見が不可欠なガソリンエンジン車でなく、EVへの参入だったからといえそう。
 

欧州を中心に、設計から開発まで自動車製造を請け負うようなメーカーはじつはいくつもあり、ベンチャー企業もEVの製造なら参入しやすいという状態は以前からある。
 

しかし、EVに参入するのは容易でも、黒字化するのは簡単ではない。最近は、EVのベンチャーの代表格であるテスラも赤字額が拡大するなど、受注が殺到しているというニュースに対して業績面では疑問がつく。
 

その理由は、最もコストがかかる電池だ。モーターやインバーターといった基幹部品も重要だが、EVのコストのうち半分以上はバッテリーともいわれている。この電池の価格を下げなければ、ガソリンエンジン車などに替わる存在になりえないし、航続可能距離などの課題も山積みしている。
 

ダイソンが全固体式電池を採用!?

さて、ダイソンは一部報道によると、同社らしく従来のEVとはまったく異なったものになるようだが、注目は現在のリチウムイオン電池(中身は液体やジェル状のようなもの)とは異なる固体式のリチウムイオン電池(全固体式電池)を採用する見込みだという。
 

「夢の電池」ともいわれる全固体式電池は、液体やジェル状に比べて安全性が高いといわれていて、エネルギー密度も高く、高効率、寿命も長いなどの利点が多い。トヨタやフォルクスワーゲン、ボッシュなども実用化を目指しているという。
 

ダイソンにはモーター制御の技術は蓄積されているだろうが、2020年にEV発売を目指すというダイソンの目論見が達成できるかどうかは非常に注目だ。
 

なお、トヨタやフォルクスワーゲンも早くて2020年に全固体式電池を採用したEVの実用化を目指しているのではという一部報道もある。それを踏まえて現実的に考えると、ダイソンが2020年代に実用化できれば御の字ではないだろうか。