日本では電動アシスト付自転車のシェアリングが先行
日本では都市部を中心に、電動アシスト付自転車のシェアリングサービスが実証実験も含めて各地で行われている。電動アシスト付自転車は、駐輪(駐車)場問題がオートバイよりも比較的解決しやすく、またオートバイのように「駐禁」の対象にもならないのも無視できない(もちろん、放置自転車の問題はあるが)。
一方のオートバイは、駐車禁止の対象になるなど、道路交通法や道路運送車両による取り締まりの対象としても厳しい、という現実がある。さらには、ヘルメット着用も必要だ。
石垣島で電動スクーター「スマートスクーター」の実証実験へ
そんな日本の状況ではあるが、2017年9月28日、台湾のGogoro(ゴゴロ)社と住友商事がパートナーシップを組み、石垣島で電動スクーター「スマートスクーター」の実証実験を年内にも開始すると発表した。
Gogoro社は、台湾で有名なスタートアップ企業。台北市などではすでに「スマートスクーター」のシェアリング、そして販売(オーナーから見れば所有)をしていて、パリやベルリンでも電動スクーター「スマートスクーター」のシェアリング事業を開始している。
1回の充電で100kmの走行が可能
電動バイクというと、航続可能距離と充電が気になるが、「スマートスクーター」はパナソニック製のバッテリー(バッテリーパックを2つ)を搭載し、1回の充電で100kmの走行が可能とのこと。
バッテリーは毎回充電するのではなく、ユーザーが充電ステーション「GoStation」に出向き、充電済みバッテリーに交換。空のバッテリーと充電済みバッテリーの交換時間は6分で済むそうだ。
石垣島にとどまらず、今後は都市部での展開も?
気になる価格などのサービスの詳細は現在、詰めている段階とのこと。利用にはスマホにインストールしたアプリを使う。なお、石垣島では石垣市の協力によりソーラーパネルを使った太陽光発電などで生み出された電気も使用する予定とのこと。
Gogoro社のホレイス・ルークCEOは、日本での今後のビジョンとして、石垣島の実証実験にとどまらず、都市部での展開も考えているそうだ。これは、新しいクリーンな交通手段を提供するという、同社の真意であり、今後の動きにも注目が集まるのは間違いなさそう。
Gogoroのビジネスは、オープンプラットフォームになっているのが特徴で、いまは二輪だが、対象となるのは三輪でも四輪でもいいので、日本でもさらなるビジネスパートナーを募ると表明している。
世界で注目されているGogoroが日本でも存在感を発揮できるか、今後の行方に注目が集まるのは間違いないだろう。