道後温泉本館から徒歩1分、道後温泉に待望の新施設オープン
愛媛県松山市にある道後温泉本館の別館として「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)」が新たに完成し、9月26日午前7時からオープン。飛鳥乃湯泉は道後温泉本館から徒歩1分、道後温泉椿の湯に隣接する。
飛鳥乃湯泉の外観には、飛鳥時代の596年、道後温泉を聖徳太子が訪れたという伝説が残ることから、その飛鳥時代の建設様式を取り入れられた。大屋根には、奈良の東大寺や唐招提寺などでも見られる「鴟尾(しび)」が飾られている。
館内は愛媛県の伝統工芸が最先端アートとコラボレーション
飛鳥乃湯泉のテーマは「太古の道後」。道後温泉にまつわる伝説や物語などを伝統工芸と最先端アートがコラボレーションした作品で演出する。館内は、和紙や伊予絣(いよかすり)など“和”のイメージで統一され、伊予水引や伊予竹細工といった愛媛県産の伝統工芸が随所に見られるのが特徴だ。
浴室は、大浴場に加え、道後温泉本館にはない露天風呂、皇室専用浴室の又新殿(ゆうしんでん)を再現した特別浴室を設置する。
大浴場には、国指定伝統的工芸品「砥部焼」の陶板壁画を設置し、お湯はもちろん”美人の湯”として知られる道後温泉本館と同様、全国的に珍しい加温なし、加水もしない源泉かけ流し。壁面をスクリーンとして朝夕の光の移ろいなどプロジェクトマッピングの仕組みもある。一方、露天風呂には、媛ヒノキの「デコラパネル」の雄大な山の世界を表現した装飾壁が施されている。
大広間は約60畳あって広々とし、聖徳太子が道後温泉に来浴した際に詠(うた)った世界観「寿国」を表現。また、道後温泉にまつわる伝説をイメージした5つの個室は、伊予水引の白鷺伝説や今治タオルの椿の森など、それぞれ見どころがある。道後温泉ならでは、茶菓子とお茶のサービスも提供される。
道後温泉本館にある皇室専用浴室「又新殿」を再現した特別浴室
特別浴室は、道後温泉本館にある皇室専用浴室「又新殿」を再現した浴槽と休憩できるスペースがセット。着たまま入浴できる古代の浴衣「湯帳」(ゆちょう)が3色から好みで選ぶことができる。
利用料は大人600円から。中庭も2017年12月に完成
飛鳥乃湯泉の利用料金は、1階浴室のみ大人600円(小人300円)、入浴と2階大広間の休憩室が大人1,250円(小人620円)、入浴と2階個室での休憩室が1,650円(小人820円)、特別浴室(家族風呂)が1組2,000円に加え、大人1人あたり1,650円(小人1人あたり820円)となっている。
一方、聖徳太子が詠(うた)った「椿の森」をイメージした中庭は、椿が生い茂る当時の様子を、化粧品メーカー大手の資生堂と連携して再現する。中庭は2017年12月下旬に完成予定。
「道後オンセナート2018」では夏目漱石の小説『坊っちやん』部屋も登場
また、道後温泉では9月から「道後オンセナート2018」がプレオープン開催中。2014年の道後温泉本館の改築120周年を記念して開催された道後オンセナート2014を皮切りに、今回は4年ぶりとなる大規模なアートフェスティバルが道後エリアで展開される。本開催は、2018年4月14日から2019年2月28日まで。
例えば、ホテルプロジェクトとして、「道後舘」ではブックデザイナー/アートディレクターの祖父江慎さんが手がける「部屋本 坊っちやん」の見学ができ、松山を舞台にした夏目漱石の小説『坊っちゃん』の文章で埋め尽くされた客室で漱石文学に浸ることができる。
なお、今回のコンセプトは「アートにのぼせろ ~温泉アートエンターテイメント~」で、約20名のアーティストが参加。道後エリアの旅館や商店街、街並みなどでさまざまなアートを見ることができる。ほかに、道後温泉本館の裏手に巨大なクマの作品が登場、美術家のイチハラヒロコさんによる恋みくじも道後エリアに初お目見えする。
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