スズキが提案する「次の100年」を示すモーターショー
2017年10月25日のプレスデーに始まり、11月5日まで開催される第45回「東京モーターショー2017」の出展概要が、スズキから発表された。2020年に100周年を迎えるスズキが、次の100年を示すモーターショーとして力を入れていて、多数のワールドプレミアモデル、しかも市販前提と思われる車種も登場する。
コンセプトSUVはEVカー「e-SURVIVOR」
2017年のフランクフルトモーターショーは、欧州勢を中心に「電動化」、「自動運転」など最新のキーワードが並んだが、たとえば「EVシフト」という流行のフレーズからしても今すぐ実現するものではない。
これから先10年〜20年は、マイルドハイブリッドやプラグインハイブリッドがメインで、ピュアEVはガソリン車から主役を奪う性能(航続可能距離など)や価格を実現するのはまだ困難だろう。
そうなると、スズキがどう「次の100年」を示すか興味深い。まず、コンセプトカーの「e-SURVIVOR(イー・サバイバー)」は、ジムニーやエスクードなどで培った4WDの技術をベースに、インホイールモーターを採用したEV化することで未来のニーズに対応している。
次期スペーシア/スペーシア・カスタムが登場
一方、すぐにでも市販化されそうなのが、軽自動車では「スペーシア/スペーシア カスタム・コンセプト」だろう。写真を見る限り、次期スペーシア/スペーシア・カスタムと断言したくなる高い完成度で、両側スライドドアやスクエアでありながら「スーツケース」をモチーフにしたという適度に愛らしいフォルムが印象的だ。
ハスラーのコンセプトカー版!? を披露へ
「XBEE(クロスビー)」と命名された世界初公開となるコンセプトカーは、写真からも分かるように、ハスラーそっくり。ハスラーは、街乗り、オンロード中心の軽自動車SUVという市場を再開拓(未開のジャンルではない)し、スズキの新規(モデルチェンジではないという意味)の軽自動車では、スマッシュヒットといえる人気を集めている。
それを、全長3760×全幅1670×全高1705mm、ホイールベース2435mmというAセグメントクラスのコンパクトカー(スモールカー)まで拡大。軽自動車から登録車のコンパクトカーに昇華させたモデルは、かつての「ワゴンRからワゴンRプラス」などもあるが、「XBEE(クロスビー)」が市販化されれば、そのスタイリングに加えて、SUVやクロスオーバーモデルのブームもあって注目されそうだ。
「軽トラ市女子」をターゲットにしたコンセプトカーも
ほかにも、全国に広がる「軽トラ市」(軽トラックの荷台を店舗にした朝市)のニーズをキャッチしようとする「キャリイ軽トラいちコンセプト」も参考出品される。こちらは、働く女性ユーザーをターゲットにした軽トラのコンセプトカー。
ライバルのダイハツが、現行のハイゼットトラックにカラフルなカラーリングも用意して「農業女子」の心を掴もうという戦略を取っているが、「軽トラ市女子」? から反響が大きければ市販化の可能性もあるかもしれない。