ラグビーブームから2年、日本でのW杯まであと2年

2年後の2019年9月20日、ラグビーW杯が日本で開幕する。通算で9度目の大会は、史上初めてアジアで開催される。
 

2015年に行われた前回のW杯で、日本は世界に衝撃をもたらした。過去5度の出場で優勝2回の強豪・南アフリカを撃破し、サモアとアメリカからも勝利をつかんだのだ。第1回大会から7回大会までの24試合で1勝しかあげていなかった日本が、一つの大会で3勝したのである。
 

五郎丸歩がアイコンとなった15年秋の一大ブームから、2年が経過しようとしている。日本代表の世界における現在地が気になるところだ。
 

すでに2019年W杯の組合せは決定。日本の現在地は?

ラグビーW杯まで2年
9月18日には2年後に迫るラグビーW杯日本大会に向けたイベントが開催された。左から松橋周平選手、小池百合子東京都知事、ジェイミー・ジョセフHC、 立川理道選手(写真:AFP/アフロ)

すでに2019年W杯の組み合わせは決まっており、日本はアイルランド、スコットランド、ヨーロッパ予選1位通過国、ヨーロッパ・オセアニア大陸間プレーオフの勝者と、1次リーグで対戦することになった。
 

今年6月には、ヨーロッパ予選1位通過が濃厚なルーマニア、それにアイルランドとホームで対戦した。ルーマニアには33-21で勝利したものの、アイルランドには22-50、13-35と連敗した。
 

15年W杯主将のリーチ・マイケルは、アイルランドとの第2戦終了後に「世界のトップ3との差を感じた」と話した。さらに続けて、「日本は一人ひとりのスタンダード、メンタリティを変えなきゃいけない。今日の経験をどう埋めていくか」と課題をあげた。
 

ジョセフHCが打ち出した新機軸

年間10試合以上の国際試合が組まれるサッカーと異なり、ラグビーは代表チームの強化が限られている。6月以降のスケジュールは10月下旬の世界選抜戦、11月のオーストラリア戦、フランス戦だけだ。必然的に代表チームの活動以外の時間が重要となり、16年11月の就任したジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチ(HC)は新機軸を打ち出した。
 

それはサンウルブズの“代表チーム化”だ。
 

ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンのクラブチームが争う国際的なリーグ戦『スーパーラグビー』に、日本も16年からチームを送り込んでいる。それがサンウルブズだ。メンバーは国内リーグ『トップリーグ(TL)』でプレーする日本代表クラスを軸に編成される。「サンウルブズの戦いは日本代表のためにある」(ジョセフHC)というスタンスを、鮮明にしたのだ。
 

同時に、ナショナル・デベロップメント・スコッドを立ち上げた。将来的に日本代表に選出される可能性を持った選手と、スーパーラグビーの海外遠征に参加しない選手を集め、日本代表スタッフのもとで定期的にキャンプを行なっている。これにより、日本代表を射程とするグループを大きくし、なおかつ代表にピックアップされた際のスムーズな合流を促している。
 

国内リーグは観客動員減…「ブーム」は去ったのか?

代表チームの足元を支えるTLはどうだろう。
 

ジャパンラグビー トップリーグ 歴代総入場者数

ラグビーW杯直後に開幕した15-16シーズンは、過去最高の観客動員を記録した。しかし、16-17シーズンは1試合平均で1500人弱の減少となった。W杯の残照が消え、ブームが去った印象である。だからといって、19年のW杯が盛り上がらないと決めつけるのは早計だ。
 

サッカーW杯の共催国を務めた02年前後のJリーグも、W杯開幕の前年から観客動員を増やしていった。今シーズンのTLでは世界的なスーパースターがプレーしており、サッカーに例えればクリスティアーノ・ロナウド級の選手もいる。オーストラリアとフランスで経験を積んだ五郎丸も、古巣のヤマハへ帰還した。現王者サントリーでキャプテンを務める流大(ながれ ゆたか)のように、“15年W杯後の選手”も登場している。
 

国際舞台での結果を追い風に国内リーグの盛り上がりが必要

あとは、TLの魅力をいかに広めていくか。

TLは企業スポーツのため、サッカーのサポーターのような存在が根づきにくい。福利厚生の一環として安定した観客動員が見込める一方で、爆発力に欠けるところがある。
 

分かりやすいのはやはり、眼に見える結果だろう。

11月4日、ラグビー日本代表は神奈川県の日産スタジアムでオーストラリアと戦う。最新の世界ランキングで5位の伝統国を脅かし、同25日にアウェイで対峙する8位のフランス戦につなげる。日本代表の国際舞台での結果を追い風として、TLのシーズン後半や18年のスーパーラグビーを盛り上げていきたい。それが日本ラグビー全体の底上げにつながるはずだ。