90年代の「RVブーム」を再燃できるか?
2017年9月12日、トヨタ・ハイラックスの日本市場導入が発表された。じつに13年ぶりの日本発売で、かつての「RVブーム」を支えた1台にも数えることができるハイラックス。注目度は高くても実際に購入に至るにはハードルが高そうなピックアップトラック。果たして勝算はあるのだろうか。
かつて90年代を中心にわき起こったRV(レクリエーショナル・ビークル)ブームは、現在のSUVブームとは違って、ステーションワゴンやSUV、そしてニッチな存在ながらピックアップトラックも含まれていた。
丘サーファーを含めたサーファー御用達として、90年代に注目を集めたハイラックス・サーフの名は40代以上の方なら懐かしく感じるはずだ。
その後、日本車のピックアップトラックは壊滅状態で、三菱トライトンが2011年夏まで日本でも発売されていたが、平行輸入モノが街中で時折見かける程度。
どんな人が購入にまで至るのか
日本市場で復活したハイラックスだが、正直個人的には、ユーザー層が見えてこない。同時発表されたFJクルーザーの特別仕様車は、FJクルーザーそのものが生産終了になり、最終モデルのファイナルエディションになっていることからも明らか。「荷物を満載して荒れ地を行く」という状況がありえない日本では、趣味的な色合いが濃いSUVを持続的に売り続けるのは難しい気がするからだ。
しかし、トヨタによると、日本では主に作業で使うオーナーが約9000名もいるそうで、こうしたユーザーの復活を願う声に押されたそう。
さらに、2014年に「ランクル70」が1年限定で復活し、バンとピックアップを設定したところ、街中で見かけるのはバンが大半とはいえ、トヨタの予想を超えるオーダーを集めた例もあり、一定数のニーズがあると踏んだのだろう。
マニアに刺さりそうな仕様も
今回のハイラックスには、「2GD-FTV」の2.4Lディーゼル+パートタイム4WDという(トランスミッションは6ATのみ)というマニアに刺さりそうな仕様も用意されている。
日本の公道でハイラックスがもつ悪路走破性を必要とするシーンは、ほとんど考えられないが、ファンやマニアだけでなく、災害時などにも活躍しそうだ。