来年の本格投入を前に、2017年8月31日、SUVのルノー カジャーが100台限定で発売された。ヨーロッパで人気を集めている日産のCセグメントSUVであるキャシュカイのルノー版、兄弟車といえる存在だ。どんなSUVなのだろうか?
SUVブームが再来している理由とは?
1990年代のRVブームを彷彿とさせるほど、日本だけでなく世界中でSUVが人気を集めている。SUVの多くは、ハッチバックを筆頭にステーションワゴンなどのベース車とプラットフォーム(車体)を共有化し、また、ベース車よりも見た目の車格感や機能、車内の広さ感や荷室の広さなどを引き上げることで、付加価値も提供している。
そのため、価格も当然上乗せできるため、メーカーにとっては一粒で二度美味しい存在でもあるのだ。ユーザーは立派な見た目をはじめ、ベース車よりも高い居住性や積載性といった利点を享受できる。
SUVの市場は選択肢が多い
欧州でもSUV人気は着実に上昇していて、新型SUVのルノー カジャーが分類されるCセグメントには、同じフランス勢ではプジョー3008、世界デビューを果たしたばかりのフォルクスワーゲンT-Roc、その兄弟車ですでに日本で発売されているアウディQ2、BMW X1、MINIクロスオーバーなどのほか、日本車ではトヨタC-HR、やや大きめだが日産エクストレイルなどがある。
また、ルノー カジャーは、すでに日本で発売されているルノー キャプチャーの兄貴分だが、キャプチャーのBセグメントには、身近な日本勢ではホンダ・ヴェゼルやマツダCX-3などがある。
セグメントは、サイズやプラットフォームなどにより分類される欧州のクラス分け。とくにSUVは、BセグメントとCセグメントの境目があやふやな感があり、取り回しや広さなどの点からボディサイズを意識して選ぶことはあっても、セグメントを意識してチョイスする人はいないだろう。
ということは、比較的コンパクト(主に全長が短め)なSUVの市場は、BセグメントとCセグメントでクロスしていて、それだけ選択肢が多いということになる。
来年の本格導入を前に100台だけ先行発売
さて、ルノー カジャーが100台限定で日本に上陸をしたのは、ルノー本国に頼み込んでなんとか100台だけでも先に入れたかったためで、なんとか100台だけでも日本向けに用意してもらったとのこと。
ルノーなどのフランス勢は、日本市場ではシェアこそ少ないものの、ライバルの新型プジョー3008が販売好調という事情もあるのだろう。少しでも入れることで販売台数を確保したいという狙いが透けて見える。
全幅こそややワイドではあるが、日本でも扱いやすいサイズに収まっていて、安全面でも数々のドライバーサポートなど最新装備が用意されたルノー カジャー。わずか100台なので早い者勝ちかもしれない。