最新装備で約9割事故が減った? 今後クルマの安全装備はどうなる

衝突被害軽減ブレーキの採用が急速に拡大している。今後、クルマの安全装備はどうなるだろうか?トヨタが公表したデータから、これから買う人のヒントなどをまとめた。

衝突被害軽減ブレーキの採用が急速に拡大中

衝突被害軽減ブレーキの採用が急速に拡大している。SUBARUは「アイサイトで助かった人」というCMを流しているから見た人もいるだろう。また、国土交通省と経済産業省は、「セーフティ・サポートカーS(サポカーS)」という自動ブレーキなどの先進安全技術を備えた「安全運転サポート車」の普及啓発に取り組んでいる。今後、クルマの安全装備はどうなるだろうか?
 

追突事故が約9割減ったというトヨタの安全装備

2017年8月28日、トヨタは最新安全装備装着車による事故低減効果を発表した。これは、交通事故総合分析センター(ITARDA)の事故データをもとに、トヨタが独自算出したデータ。
 

対象は追突事故で、主にコンパクトカーや少し古いクルマに設定されている「Toyota Safety Sense」搭載車は非搭載車に対して約5割減り、中型車以上で、比較的新しいモデルに用意される高性能の「Toyota Safety Sense P」と障害物の存在を知らせる「ICS(インテリジェントクリアランスソナー)」の両方を備えた車両では非搭載車に対して、約9割も減ったという。
 

データ
トヨタの調査の対象車種はプリウスで、調査期間は2015年12月から2016年12月。約24万7000台のうち「Toyota Safety Sense P」のみの搭載車は約8万4000台、「Toyota Safety Sense P」と「ICS(インテリジェントクリアランスソナー)」搭載車は約12万1000台だという

なお、「Toyota Safety Sense P」と「ICS」搭載車両は、「セーフティ・サポートカーS」のうち最高ランクの「ワイド」に相当する。
 

同社では、「Toyota Safety Sense」もしくは「Toyota Safety Sense P」に、「ICS」を組み合わせたモデルを2018年度末までに販売車両全体の約9割まで拡充すると発表。
 

廉価なクルマのコストをどうするか?

追突事故に大きな効果がある衝突被害軽減ブレーキは、もちろん万能ではない。作動する速度、前走車など対象となる車両との相対速度などに加えて、歩行者や自転車にも対応するのかもポイントになる。
 

性能を大きく左右するのが主にセンサー類で、コストとの兼ね合いで高級車ほど高性能、多機能になっているという現状がある。そのため、さらなるコスト削減によってどんな車両にも付くような状況、そしてユーザーも対価を支払う姿勢も必要だろう。
 

体感試乗会をさらに拡大する
トヨタは2017年から販売店で「ICS(インテリジェントクリアランスソナー)」の体感試乗会をさらに拡大し、「Toyota Safety Sense」の自動ブレーキ体感も販売店主導と発表。販売店スタッフ向けにライセンス取得制度を設けることで安全性に配慮するとしている

さて、いまクルマを選ぶ際にどうすればいいのか? ピンキリとはいえ、いまや大半の軽自動車にも衝突被害軽減ブレーキが設定されている。
 

車両によってはオプションだったり、対車両などの衝突被害軽減ブレーキとは別に、さらにオプション設定でペダル踏み間違い防止機構を用意していたりすることもある。
 

分からない場合は、目安として先述した「サポカーS」認定車から選ぶ手もあるだろう。
 

対車両や歩行者への追突事故だけでなく、店舗などに突っ込んでしまうアクセルペダル踏み間違い事故は後を絶たない。トヨタなどのこうした取り組みは評価できるが、乗用車だけでなく商用車も含めて、そろそろ法制化を検討する時期に来ているのではないだろうか。

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