名古屋の公園に生えていたキノコ…夏~秋は要注意
名古屋市の公園に生えていた毒キノコを食べた男性3人が、下痢や吐き気など食中毒の症状を訴え、入院していることが分かったと、朝日新聞や東海テレビが報じています。報道によると、3人はバーベキュー中で、近くに生えていたキノコを採り、焼いて食べたといいます。食べた毒キノコは「オオシロカラカサタケ」とみられています。
オオシロカラカサタケは、夏~秋、公園の芝生や庭、校庭などに生え、傘は20cmほどになるものもあるようです(参照:大阪市のホームページ)。
これから秋にかけて、キノコ狩りなどが盛んになる時期になりますが、誤って毒キノコを食べないように注意が必要です。これに関して、医師の清益功浩さんがAll Aboutの『もし毒キノコを食べてしまったら…種類と対策法』で解説をしています。
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日本に生えるキノコの大半が食用か有毒かは不明なまま…
清益さんによると、日本には約1500種類のキノコがあると言われ、食用可能なキノコは約300種、その中でも市販されているものは約20種あると言われますが、毒キノコと判っているものは約30種で、残りの多くは、食用なのか毒なのかが不明なままだと言います。
キノコを食べて様々な症状が起こる「キノコ中毒」の多くは、自ら山で採取した毒キノコを食用と考えて摂取して食べてしまうことで起きていると指摘しています。
キノコによる食中毒の症状は?いつ発症する?
キノコによる食中毒では、意識がなくなるなどの意識障害、不整脈などの循環器障害、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器障害などが起こります。
「キノコ中毒を考える時に重要になるのが、摂取してから発症までの時間。3時間以内に発症する場合は、消化器型が多く、10時間以上経ってから発症するものは、重症になりやすいです」
予防は「知らないキノコは食さないこと」が鉄則!
キノコ中毒にならないためには「知らないキノコは食さないこと」が大事だと清益さんは述べています。それ以外の注意点としては以下のポイントを挙げています。
- キノコの外観、形態などをよくチェックする
- 図鑑などでキノコの種類をしっかりと確認する
- キノコを採取した時には、採取した場所、時刻、食べた場合は調理方法、摂取量、一緒に食べた人などを把握する
- 加熱することで無毒化する場合もあるので加熱する
万が一、毒キノコを食べてしまったら……
毒キノコを食べたかもしれない時の対処法としては、吐き出すことが大切。ただし、意識がない場合、けいれんしている場合は、気道に吐物が入る可能性があるので、嘔吐させてはいけないと言います。
体調が悪化した場合は、医療機関を受診することになりますが、その際は残っているキノコを持参することも重要です。理由は、食品として摂取したキノコ中毒と診断された場合は、医療機関ではただちに保健所に届ける必要があるためです。
「いずれにしても、名前がはっきりと判らないキノコや、確実に食用であると判別できないキノコを食べないようにすることが、キノコ中毒の予防の鉄則です」
触るだけでも危険なキノコや誤食しやすいキノコにも注意を
なお、2016年には触るだけでも危険と言われる毒キノコ「カエンタケ」が各地で見つかり、ニュースになりました。カエンタケや誤食しやすいキノコについては『猛毒のキノコ・カエンタケが全国で見つかる 危険なキノコの見分け方』の記事も確認してみてください。
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