大気の状態が非常に不安定に。土砂災害などに注意を
気象庁は、関東甲信地方で18日夜遅くにかけて、上空の寒気の影響により大気の状態が非常に不安定になるとして、土砂災害、低地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒し、落雷、竜巻などの激しい突風、雹(ひょう)などに注意するよう呼び掛けています。
雹(ひょう)が降る地域も!霰(あられ)の違いとは
午後3時過ぎには、東京や神奈川などで雹(ひょう)や豪雨が降るなどの報告が相次いでいます。雹(ひょう)で車などに被害が出る場合があります。万が一、被害があった方は保険などで対応できる場合があるので確認した方がいいかもしれません(詳しくは『地震だけじゃない!自然災害で車はどうなる?』の記事をご確認ください)。
雹(ひょう)とは、積乱雲から降る直径5mm以上の氷塊のことを指します。一方、霰(あられ)は雲から落下する白色不透明・半透明または透明な氷の粒で、直径が5mm未満のものだといいます。
さらに17時現在、東京電力によると東京と神奈川県の約15000軒で停電が発生しているといいます。突然の停電で不安に思う方もいるかもしれませんが、落ち着いて行動をしてください。なお、停電時の対応などについては『突然の停電!何に注意をすればよい?』の記事をご確認ください。
雹(ひょう)が降ったら注意したいこととは?
なお、あたりが急に暗くなり雹(ひょう)が突然降るような場合は突風や竜巻の前兆現象になる場合があります。
実際に、気象庁や横浜地方気象台などは、午後3~4時過ぎにかけて「竜巻注意情報」を出しました。「竜巻注意情報」が出ているのは17時時点で、東京、神奈川県全域、埼玉県全域、静岡県伊豆、東部などです。
これに関しては災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏がAll Aboutの『強風被害に備えるには?台風と竜巻の季節がやってくる』で解説しています。
突風・竜巻の予兆は? 前兆現象がわかるポイント
和田氏によると、きょうの天気予報のように「大気が不安定」という言葉が使われたら危険信号だといいます。突風や竜巻の前兆を感じるポイントについて、和田氏は以下の点を挙げています。
- 夕方になってもいないのに「急にあたりが暗くなる」(黒い雲が近づいてくる)
- 大粒の雨、または雹(ひょう)が降り始める
- カミナリが発生する
- 夏なのに冷たい風が吹き始める
- ゴーという音が遠くから聞こえる
屋外にいる時の対策:竜巻の発生に気づいたら
黒い雲の底から漏斗(ろうと)状の雲が垂れ下がってきたら、「まさに危険はすぐそこに迫った」状況だといいます。この時にとるべき行動は?
■NG例:物置やプレハブ、簡易的な車庫のような場所に逃げ込む
建物ごと飛ばされてしまったり、建物の破壊によって被害を受けてしまったりする可能性があるため危険。
■OK例:頑丈な建物の中に避難する
屋外で逃げ込めるような建物がない場合は、通り過ぎるまでの間、身を隠せるような側溝を見つけて飛び込むしかないと和田氏は述べている。
屋内にいる時の対策:強風被害を最小限にするには
■室内でもより安全な場所はどこ?
室内においても、強風による被害の可能性を最小限にするには以下の場所にいる方が良いようです。
- 家屋では2階よりも1階に
- 窓のある部屋よりも窓がない部屋に
■事前準備も大事
和田氏は「雨戸やシャッターがある場合は事前にきちんと閉めておくこと」を呼び掛けています。これは、部屋に吹き込んだ風の圧力によって、家屋の屋根が吹き飛んでしまうような被害も発生しているためだといいます。
また、竜巻や台風の風そのものではなく、ベランダや家の周囲に置いてあった植木鉢や物干し棹など飛来物によって窓ガラスが被害を受ける可能性もあるので、強風被害の発生確率が高まったら、少なくとも前日には家の周囲やベランダ等の物を片づけて、室内に取り込むべきだといいます。
強風被害に備える5カ条
和田氏はさらに、強風や竜巻の被害に備えるために以下の5カ条を覚えておいてほしいとしています。
- 気象情報を常に身近に手に入れるような習慣を
- 「台風」は遠くにいても(発生していなくても)「竜巻」は発生する
- キーワードは「大気が不安定な状態」
- 「黒い雲の接近」「冷たい風」など前兆現象に注意
- 家の周囲の整理整頓、早めの屋内退避をしよう
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