世界最大級の民泊サイト「HomeAway」と楽天の提携でインバウンド推進へ
日本を訪れる外国人旅行者の増加、そして、2020年の東京五輪を控え、宿泊施設の不足が懸念される中で、新たな宿泊施設「民泊」がますます注目を集めている。
そんな中、IT大手の楽天グループの楽天LIFULL STAYと、ホテル予約サイト「Expedia」などを手がけるエクスペディアグループの民泊サイト「HomeAway」が7月3日、民泊事業での業務提携を発表した。今後、日本国内での民泊施設の開拓、および海外でのマーケティングを強化することで、インバウンド(訪日)の活性化を目指すことを明らかにした。
3日の記者発表会で、楽天LIFULL STAYの太田宗克代表取締役社長は「世界最大級の民泊仲介サイトで、集客力があって、空き家の利用と活用で地方活性化に寄与する戦略に親和性がある」と語り、HomeAway日本支社の木村奈津子支社長は「不動産や地方自治体とのネットワークを持っている点に魅力を感じた」などと、今回の提携について説明した。
HomeAwayの特徴は一軒家などの「バケーションレンタル」
「HomeAway」は、世界最大級の民泊サイトで、2005年にアメリカ・テキサス州で創業。現在、世界190ヶ国、200万件以上の登録物件がサイト上にあり、月間4,000万人以上の旅行者が利用している。世界23言語50以上のサイト、日本語版もある。同じ民泊を取り扱うAirbnbと異なり、一棟貸しの「バケーションレンタル」に特化して地方やリゾートに強い。バケーションレンタルとは、家主が部屋を使用しない一軒家や別荘、古民家など期間に第三者に貸し出すサービスをさす。
一方、楽天LIFULL STAYは、IT大手の楽天と住宅・不動産ポータルサイトなどを運営するLIFULLが共同出資する会社の子会社で、民泊に関するプラットフォームを構築することで、空き家の民泊としての活用促進や体験型民泊の提供を目指している。LIFULLが運営する不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」にある約800万の掲載物件からの民泊用物件への転換や、空き家バンクと連携した地方にある空き家の民泊活用などに取り組
地方自治体と連携した体験型民泊の物件などの開拓めざす
政府の観光立国に向けたさまざまな施策が打たれ、訪日外国人旅行者の需要が高まる中、今年6月9日に民泊事業を可能とする住宅宿泊事業法が成立。早ければ2018年1月から施行される。民泊では、「既存の住宅を1日単位で利用者に貸し出す」「1年間で180日を超えない範囲内で」などが決められている。
今回の提携により、楽天LIFULL STAYは民泊仲介プラットフォーム「Vacation Stay」(仮称)に今後掲載される国内民泊物件をHomeAwayに供給する。そして、HomeAwayは世界最大級の民泊サイトでの集客力を生かして訪日旅行者に対しての販売促進を行っていくという。特に、地方自治体とのネットワークを活かした農業や伝統工芸といった体験型民泊などの物件を開拓していくという。
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