東京都議選で都民ファーストが第1党に
東京都の小池百合子知事は3日、地域政党「都民ファーストの会」の代表から退くことを明らかにしました。前日に投開票があった東京都議選において、都民ファーストが第1党になる躍進を受けて、記者団に対して「二元代表制などで懸念があることを想定すると、私は知事に専念したい」と述べたといいます。
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地方公共団体の仕組み
二元代表制とはどのようなものなのでしょうか。これに関連して、塾講師の西村創氏が『いよいよ都議選! 議席数など、選挙の仕組みと基本』で地方公共団体の仕組みについて説明をしています。
地方公共団体には、地方公共団体としての意思を決める議会(議決機関)と、議会の決定に基づいて事業を執行する団体の長(執行機関)があります。
東京都の場合、議決機関(立法)が「都議会」で、議会決定を執行する団体(行政)の長が「都知事」(首長)です。都議会の構成員である都議会議員、そして、執行機関の長である都知事はそれぞれ別に、都民による直接選挙によって選ばれます。
この、議員と行政の長のそれぞれが直接選挙によって選ぶ制度が二元代表制と呼ばれています。
「ちなみに、実態はともかく、都議会と都知事はそれぞれ独立の機関であると同時に、対等な立場だということになっています。互いに緊張関係を保ちながら、政策や予算をチェックし合い、より良い地方自治をめざすのが、本来の都議会と都知事のあるべき姿です」(西村氏)
二元代表制の対照となる概念は?
二元代表制への理解を深めるのには、対照となる概念である「議院内閣制」を理解すると分かりやすいかもしれません。議院内閣制は、「内閣は議会の信任をうけて成立し、議会に責任を持つ」というもの。日本の国政がそれにあたり、直接選挙で選んだ議員で構成される議会が首相を指名し、その首相が内閣を組織するものです。
議会の信任に基づいて存在する、ということは、一方で、議会の信任を失った場合は総辞職し、別の内閣にバトンタッチしなければなりません。そのため、不信任や解散などが日本にはあるということです。
参照:『不信任、解散、総辞職……議院内閣制とは?』
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