成田から週4往復、深夜の時間帯での運航
ジェットスター・ジャパンの東京(成田)=上海(浦東)線が6月2日、運航を開始した。この区間、日本のLCCとしては初めての路線となる。初便の成田からは9割以上の搭乗率(163名)で定刻通りに出発し、上海には予定よりも早く到着した。当初は今年1月からの運航予定だったが、上海浦東国際空港の発着枠などの問題で約3ヶ月遅れでの就航となった。
2日の出発前に、搭乗口の前で就航記念セレモニーが行われた。ジェットスター・ジャパンのジェリー・ターナーCEOやマスコットキャラクターの「ジェッ太」らが並び、初便の搭乗客には記念品が手渡された。ターナーCEOは、セレモニーに先立って会見し、就航から3ヶ月の予約状況が好調であること、搭乗率を上げることでデイリー(毎日)の運航にしたい意欲などを明らかにし、現状は中国人の予約がやや多く、日本人にも上海を訪れてほしいことなどを語っていた。
ジェットスター・ジャパンでは週4往復、行き帰りとも深夜時間帯での運航。成田-上海は22時15分発/0時40分着、上海-成田は2時5分発/6時10分着。運賃は片道4,980円から。
観光はもちろんビジネスに便利な運賃オプションも利用可
今回、この初便に搭乗して上海に向かった。ジェットスター・グループでも初の上海路線ということで、日本人が多めと思いきや、中国人もけっこう多く、特に3日後の帰国便はほとんどが中国人。中国人が日本を訪れるインバウンド(訪日)人気が続いているのを目の当たりにした。
日本との時差1時間、3時間あまりのフライトであれば、シートピッチ(座席の前後間隔)が大手航空会社よりやや狭くとも、通路側だったのもあってさほど気にならなかった。夜が遅いのもあってほとんどの乗客は寝ており、機内販売や免税品の販売も行われていたが、寝ている乗客に配慮してか騒々しさも感じられず、機内もとても静かだった。
上海は中国での経済の中心地であるのに加え、世界各地から観光客が集まる人気都市。日本との時差がたった1時間で、手軽な運賃で観光や訪問などに加え、ビジネスでの利用も見込まれる。ジェットスター・ジャパンでは、ビジネス客を主要ターゲットとした運賃オプション「フレックスBiz」(国際線3,000円)も利用できる。
グルメ、夜景、ショッピング・・・上海は見どころ満載
なお、日本のLCCでの中国路線というと、昨年11月にピーチ・アビエーションが東京(羽田)および大阪(関西)から上海への路線を先に就航した。ほかにも日本と中国の大手航空会社とLCCを含めると、首都圏と関西圏を結ぶ上海線は“激戦区”となっている。
上海には、観光客に人気が高い外灘エリアをはじめ、上海の日常が垣間見られる田子坊、おしゃれなカフェや雑貨店、高層ビル群の美しい夜景も堪能できるなど、見どころはとても多く、今後も日本からの観光客が見込める。
ただ、上海での発着時に地下鉄やバスといった公共交通機関はすべてなく、空港内のほとんどの店舗や有人の両替所などは閉まっているので注意が必要だ。それでも、今回のジェットスター・ジャパンの就航は、手軽な運賃で深夜に移動できるなどメリットは多いといえる。
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