連勝記録は羽生善治三冠らを抜き歴代単独3位
将棋の藤井聡太四段(14)が7日、大阪市内で行われた「第2回上州YAMADAチャレンジ杯」3回戦で、宮本広志五段(31)に141手で勝ち、デビュー戦以来の公式戦連勝記録を23に更新しました。この連勝記録は、羽生善治三冠らを抜き、歴代単独3位となります。
藤井四段は昨年10月、史上最年少の14歳2カ月(当時中学2年)でプロデビュー。それまで現役最高齢の加藤一二三(ひふみ)九段(77)が持っていた14歳7カ月の最年少記録を62年ぶりに塗り替えて話題となりました。
歴代連勝記録はどうなっている?
歴代連勝記録は現在どのようになっているのでしょうか。日本将棋連盟のホームページの記録を参照した上で、藤井四段の記録を合わせると、7日18時時点で、
- 1位 28連勝 神谷広志(1986~87年)
- 2位 24連勝 丸山忠久(1994年)
- 3位 23連勝 藤井聡太(2017年)
- 4位 22連勝 塚田泰明(1986年)/羽生善治 22連勝(1992年)/山崎隆之 22連勝(2002~03年)
となっています。24連勝の記録は目前となっており、歴代1位の28連勝も手が届くところに。藤井四段はどこまで記録を伸ばすのか、今後の展開に注目が集まります。
さて、この藤井四段の強さの秘訣は何なのでしょうか。これに関して大分県将棋連合会・普及担当理事の有田英樹氏がAll Aboutの『藤井聡太四段は何がスゴイのか?現役プロ棋士に聞く』で解説をしています。
**********
羽生善治三冠がプロになった頃とは違う点とは?
藤井四段は中学2年生でのデビューとなりましたが、同じく中学生にしてプロとなった棋界の第一人者・羽生善治氏との「違い」について説明をしています。
有田氏の説明によると、羽生三冠がプロになった頃より、現在の方が難しいシステムになっているのだといい、羽生三冠も同様にインタビューで答えてます。
プロになるためには「奨励会」「三段リーグ」がある
プロ棋士になるにはプロ棋士養成機関である「奨励会」に入会しなければなりません。入会試験があり、受験するのはアマ四段クラス以上の棋力を持つ子ども達ばかりが集まるそうです。
奨励会に合格するのは2割から3割で、通常は6級と認定されます。ここからさらに、勝率7割で1級ずつ昇り、成績が芳しくなければ降級することになるといいます。ここで勝ち続けた者だけが最高位の三段に到達できます。
さらに「三段リーグ」と呼ばれるリーグ戦を戦わなければなりません。このリーグで上位2名のみが四段を獲得しプロ棋士となれるのです。
「7割の勝率をあげても、昇段できぬ場合さえある。最終的に受験者の中からプロになれるのは2~3%。これを藤井はやってのけたのだ。14歳で」(有田氏)
豊川孝弘七段「藤井くんは大化けするかも」
有田氏は、藤井四段が2017年1月26日に対局した豊川孝弘七段にもインタビューを敢行。豊川七段は「藤井くんは大化けするかもしれないですよ」と語り、指した印象と大化けする可能性を秘めている理由について語っています。
また、藤井四段の将棋の楽しみ方として、豊川七段は「桂がどう働くかに注目してみてください」と語っており、今後の対局では注目してみてはいかがでしょうか。詳しくは『藤井聡太四段は何がスゴイのか?現役プロ棋士に聞く』の記事をご確認ください。
【関連リンク】
藤井聡太四段は何がスゴイのか?現役プロ棋士に聞く