自身のインスタグラムで明かす
モデルの道端アンジェリカ(31)が、自身のインスタグラムで乾癬(かんせん)という皮膚の病気を患っていることを明かした。ネット上で「スーパーフードを食べているのに肌が汚い」という心ない声があったことから公表するに至ったといい、「同じ皮膚の病気で悩む人たちに一緒に頑張って付き合っていこう」と呼び掛けている。
乾癬とはどのような病気なのか。形成外科を専門とする医師の井上義治氏はAll Aboutの『乾癬(かんせん)の画像・症状・治療法【医師が解説】』で解説している。
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乾癬とは
乾癬は後天性角化症という、皮膚の角質が厚くなってしまう病気の一つ。原因は不明だが、自分の免疫が皮膚や関節を破壊してしまうために起きると考えられていて、免疫を調整するステロイドや免疫抑制剤、抗TNF-α抗体が治療薬として使用されているのだという。
■乾癬の頻度・性差・年齢
乾癬は日本人の0.1%に発病し、男女比は2:1で男性に多い疾患。主に青年期から中年期に発病するとされる。
■乾癬の原因
はっきりした原因は不明で、家族内発生が多いこと、一卵性双生児に約7割の発症が見られることから遺伝的な要因が考えられているようだ。
乾癬の症状
井上氏によると、唇以外の皮膚に赤い発疹が生じ、その上に鱗屑(りんせつ)という、皮膚上皮の角質細胞が剥がれ落ち、白色や銀色に見えるものが載っている状態。頭、膝、肘などに多く出やすい傾向があるが、体幹にもよく出現する。
大きな皮疹で目立つ場合があるが、この病気は伝染性疾患ではないので人にはうつらない。
なお、皮膚科専門医の野田 真史氏はAll Aboutの『新たな技術で劇的に変化、「乾癬」治療の最新事情』で皮膚が赤くなりがさがさする病気としてはアトピー性皮膚炎の次に多いものと説明をしている。
乾癬の治療法は
井上氏は、乾癬の治療法には以下のようなものがある。
- 活性型ビタミンD3外用薬
- ステロイド外用薬
- 光線療法
- ビオチンの内服、注射
- ビタミンAの誘導体の内服
- 免疫抑制剤の服用
最近認可された治療法として、抗TNF-α抗体と呼ばれる抗体作用を抑える治療があるが、費用が高額であると井上氏は説明する。
なお、最新の治療については、野田氏が前述の記事の中で最新の治療事情について記されており、乾癬の症状が重い場合に劇的に効く薬がなかったが、2010年に保険の範囲内で使えるようになり注射薬が登場し、治療が大きく変わったことなどと説明している。
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