メルセデス・ベンツは2017年も輸入車No.1を保てるか
メルセデス・ベンツ躍進の立役者であるAクラスをベースに、クロスオーバーSUVに仕立てられたのがGLAクラス。メルセデス・ベンツは、2015年、2016年と2年連続で輸入車ナンバー1の地位をキープしているが、大きな役割を果たしているのがSUVだ。国内最多となる7車種を投入し、その中で最もコンパクトなのがメルセデス・ベンツGLAということになる。
4月19日に発表された新型メルセデス・ベンツGLAは、マイナーチェンジではあるが、プレス向け発表会が開催された。それだけ同モデルに対する期待が大きいということだろう。
なぜマイナーチェンジでも期待が大きいのか
発表会に登場したメルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長は、EクラスやC200 4MATIC、GLCクーペのディーゼルモデルなどの新車効果により、2017年第1四半期は約1万8000台を受注し、前年同期比超えを果たしたという。
SUVの利点は、ユーザーにとっては雪上などの冬道での安定した走行や、悪路走破性の高さといった機動性だけでなく、目線が高く運転しやすい、都市部でもちょっとした段差を気にせずにすむなどがある。逆に、背が高くなり、重量もかさむため、燃費面で不利になりやすく、走行安定性への影響も出てくる可能性がある。
一方のメーカー(インポーター)側は、ベース車よりも付加価値を高めることで、高い価格設定にすることが可能で、1台あたりの高い営業利益率を望めるという利点がある。
売れている都市部以外でも拡販を狙うGLA
今回、マイナーチェンジを受けたコンパクトSUVのGLAは、1550mmという高さ制限のある立体駐車場にも入庫できることもあって、都市部で売れているという。
ハッチバックよりも車格が上に見えるし、とくに4WDモデルであれば、スキーなどの足としても頼りになる。また、FFモデルでもキャンプなどの足として十分に使える最低地上高が確保されていて、「1台で何度もおいしい」のが人気の理由だろう。
今回のマイナーチェンジでは、4WDに「GLA 220 4MATIC」を追加設定し、従来よりも価格面でのハードルを下げた。これより、都市部だけでなく、4WDを必要とする雪国のユーザーにもアピールする構えで、GLAはAクラスなどと比べると、まだニッチなモデルではあるものの、メルセデス・ベンツのさらなる躍進のキーを握る1台になりそうだ。