Amazonでどのように第1類医薬品は買える?
アマゾンジャパンは総合オンラインストア「Amazon.co.jp」で第1類医薬品の販売を始めた。「第1類医薬品ストア」を見ると、痛み止めの「ロキソニンS」や育毛・養毛剤「リアップ」、胃腸薬「ガスター10」など約70商品が購入できる。
同ページによると、第1類医薬品の注文は担当薬剤師による適正使用の確認が完了してからの商品発送となる。第1類医薬品をショッピングカートに入れ、レジに進むボタンをクリックすると「ご使用者状態チェック」に回答するよう促され、提出をクリックする段階へ進む。これによって、薬剤師が適正使用でないと判断した場合には注文をキャンセルする場合や、薬剤師より直接確認をする場合があるという。
通常の購入とは違う段階を踏まなければならない、この「第1類医薬品」とは一体どのようなものなのだろうか。これに関して、管理薬剤師の吉田健吾氏がAll Aboutの『1類、2類、3類…「第○類医薬品」の違いは何?』で解説をしている。
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一般用医薬品は5カテゴリーに分類できる
吉田氏によると、ドラッグストアで処方せんなしに購入できる医薬品は大衆薬や市販薬と呼ばれているが、専門的には「一般用医薬品」と呼称されるのだという。この一般用医薬品は5つのカテゴリーに分けられている。分類の基準は「含まれている成分の薬効と副作用リスクの高さ」によるといい、薬効と副作用リスクが高い順に「要指導医薬品≧第1類医薬品>指定第2類医薬品≧第2類医薬品>第3類医薬品」となっているという。
要指導医薬品は「より慎重に用いる必要があるもの」
要指導医薬品の多くは病院で医師が処方し、調剤薬局で受け取る医療用医薬品の成分を含んだもの。それが一般用医薬品にスイッチ(転換)された直後のものを「要指導医薬品」と呼び、もっとも慎重に用いられる必要があるのだという。
販売から一定期間が過ぎ、特に問題がなければ要指導医薬品から次に登場する第1類医薬品に扱いが変更される。(※厳密な定義において要指導医薬品は一般用医薬品から独立したカテゴリーとされる)
吉田氏が挙げる、要指導医薬品の特徴は次の通り。
- 箱への記載:要指導医薬品
- 薬効と副作用のリスク:特に高い
- 販売できる者:薬剤師のみ
- 通信販売:不可
- 陳列方法:消費者は直接手に取れない
第1類医薬品は「通信販売」が可能
第1類医薬品はほぼ要指導薬品と扱いは同じだが、インターネットなどでの「通信販売」が可能な点で異なる。多くの成分は医療用医薬品からスイッチされたもので、高い薬効と副作用のリスクがあり、注意深く使用される必要がある。
第1類医薬品の特徴は以下の通りという。
- 箱への記載:第1類医薬品
- 薬効と副作用のリスク:高い
- 販売できる者:薬剤師のみ
- 通信販売:可能
- 陳列方法:消費者は直接手に取れない
第2類医薬品や第3類医薬品の特徴は?
なお、第2類医薬品は薬効も副作用のリスクも中程度の一般用医薬品が含まれる。その中で、服用する人の背景や他の薬との飲み合わせでなどで注意が必要なものが指定第2類医薬品に属す。第3類医薬品は、作用が穏やかで副作用のリスクも低いものが含まれる。
第1類医薬品はリスクもある?「副作用」への考え方
要指導医薬品と第1類医薬品は、効果も高い一方で副作用のリスクも高いとされる。我々はこのリスクとどのように付き合うべきなのか。この問いに、吉田氏は適正に薬を服用して、薬の効果をしっかり発揮させるほか、副作用の内容を前もって理解しておくことが大切だと述べている。
「副作用のリスクをより低くするために必要なことは第一に用法・用量を守った適正な使用です。しばしば、指示されている量より多く服用すれば早く治ると考えてしまう方もいらっしゃいますが、それは間違いです。むしろ、副作用の可能性を増大させてしまうので絶対に避けましょう」(吉田氏)
また、服用しようとしている薬にどのような副作用があるのかを知っておけば、服用中止の判断が素早く行え、冷静に薬剤師や登録販売者に問い合わせることもできるとしており、これらの注意点を意識して医薬品を扱いたい。
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