関西空港内に「ファーストキャビン」がオープン
大阪・関西空港に新たな宿泊施設「ファーストキャビン関西空港」が、2017年3月30日にオープンする。関西空港は近年、国内と海外のLCC(格安航空会社)の就航が相次ぎ、訪日外国人観光客も急増する中、空港内でリーズナブルな価格で宿泊・休憩できる施設は早々に空港利用者のニーズが高まることは間違いない。
1泊6,200円から。広めのファーストクラスキャビンも
ファーストキャビンは、飛行機のファーストクラスをイメージしたコンパクトホテルで、現在、日本国内で9施設を展開する。ファーストキャビン関西空港は10施設目で、空港内では羽田空港の国内線第1旅客ターミナル内に続くオープン。コンパクトでラグジュアリーというコンセプトで人気を集め、4月にも長崎と東京・京橋にも新たな施設をオープンする。
ファーストキャビン関西空港の場所は、空港内のエアロプラザ3F。客室数は153キャビン(男性専用94、女性専用59)で、すべてシングル専用。通常料金(1泊)は、ビジネスクラスキャビンが6,200円、広めのファーストクラスキャビンが7,200円で、ショートステイ(2時間~)も可能となっている。 ※料金は季節や曜日によって変動
男女別のスペースでセキュリティ面でも安心
実際に利用できるキャビンは2種類。ファーストクラスキャビンは、広さ4.4mで、セミダブルサイズのベッド、32インチ液晶テレビ、鍵付きの収納などをキャビンごとに備える。一方、ビジネスクラスキャビンの広さは2.5mながら、キャビン内の設備はファーストクラスとほぼ同様。いずれも一般的なカプセルホテルと異なり、立ち上がれる高さがあるのがうれしい。ファーストクラスだとキャビン内でスーツケースも広げられるスペースも。全館でWi-Fi対応。
また、男性専用キャビン、女性専用キャビンでそれぞれ入口が異なる。その入口では利用者のみがカードをかざして入室する仕組み。キャビンが並ぶエリアおよび大浴場などで、異なる性別同士で顔を合わせる心配がなく、特に女性にとってはセキュリティ面での安心感も大きい。
利用者なら誰でも入れる大浴場、シャワーもあり
そして、他のファーストキャビンで好評の「大浴場」も男女それぞれ設置。シャンプーやコンディショナーはもちろん、ドライヤーやスキンケア用品一式、パフ、ヘアブラシ、カミソリなどが自由に使うことができる。シャワールーム、コインランドリーなどもある。
カプセルホテルとは思えない上質なフロントに、グランドピアノも置かれている。友人同士で泊まる際に一緒に休憩したり、軽食を取ったりできるラウンジも設けられている。
空港内のカプセルホテル、ニーズと利便性で増加中
関西空港では、2012年3月にピーチ・アビエーションがデビューして以降、国内および海外のLCCが次々と就航している。特に、早朝や深夜に発着する便が増えて「24時間空港」としての機能を活用する一方で、空港および周辺の宿泊施設不足の問題が露呈した。そして、深夜に空港内のベンチで横になる利用者が目立ち始め、空港側も休憩スペースを設けるなどして対応する状況が続いていた。
そのため今回、始発のバスや鉄道では間に合わない早朝便、深夜に空港に到着した際にもリーズナブルな価格で利用しやすい施設が空港内にオープンした意義はとても大きい。
先にオープンしたファーストキャビン羽田ターミナル1では、日本人のビジネスパーソンによる出張利用が多いものの、予約が非常に取りづらい状況が続く人気ぶりという。関西空港同様にLCCの就航が多い成田空港にある「ナインアワーズ成田空港」も好評で、中部空港にも新たにカプセルホテルが4月8日にオープン予定となっている。
【関連サイト】
ファーストキャビン http://first-cabin.jp/