「プレミアムエコノミー」が近年普及している理由

カンタス航空のB787-9新プレミアムエコノミーシート。リクライニング角度の増加など快適性が向上(写真:カンタス航空提供)

大手航空会社の国際線で、従来のファースト・ビジネス・エコノミーの3クラス制から、ビジネスとエコノミーの中間に当たる「プレミアムエコノミー」のクラスを、ANAとJALの日系2社を含む世界中のエアラインが新たに設定し、近年かなり定着してきた。プレミアムエコノミーを最初に導入したのはイギリスのヴァージン・アトランティック航空で1992年のこと。運賃はエコノミーよりやや高いものの、ビジネスに比べるともちろんリーズナブルだ。

 

プレミアムエコノミーが普及する理由はいくつかある。ビジネス出張といえばかつてはビジネスクラスだったのが、長引く景気低迷による経費削減の流れが、まず1つ。そして、ビジネスクラスが以前のファーストクラス並みにフルフラットになる座席や人気シェフが手がける機内食などサービスが向上した一方で、「そこまでのサービスは要らないから少しでも安く」というニーズ。さらに、エコノミークラスの狭いシートが体力的に辛いシニア層にも人気が高い。

 

プレミアムエコノミーとエコノミークラスの主な違い

コペンハーゲン国際空港のSASラウンジ。プレミアムエコノミーだとラウンジが利用できる航空会社も多い(写真:スカンジナビア航空提供)

プレミアムエコノミーとエコノミークラスでは、さまざまな違いがある。主な一例を挙げてみる。※航空会社によってサービスの提供内容は異なる

 

  • シートピッチが広いなど、座席にゆとりが感じられる
  • エコノミーの機内食に+α
  • スリッパや上質な毛布などのアメニティを提供
  • 専用カウンターでのチェックイン
  • 航空会社ラウンジが利用できる

 

■シートの違い

どの航空会社でも共通なのが「シート」の違い。例えば、ANAのプレミアムエコノミー(B787-9)だと、前後の座席間隔(シートピッチ)は38インチ(約97cm)で、エコノミーの34インチ(約86cm)と比べると、4インチの差は実際に座るとより大きく感じられ、リクライニングもしやすい。また、カンタス航空が2017年10月から導入予定のB787-9のプレミアムエコノミーは、従来より10%拡大したシートサイズ、専用の枕にフィットするように人間工学を考慮してデザインされたヘッドレストなど機内での快適性がさらに進化するという。

 

■エコノミー以上ビジネス未満のサービス

ほかにも、機内で選べるアルコールの種類が多い、チェックイン時にエコノミーの長蛇の列に並ぶストレスが減る、優先搭乗など、各航空会社によって多少の違いはあるものの、“エコノミー以上ビジネス未満”のサービスを各社とも提供している。

 

JAL、ANAと外資、エアラインごとにサービスに個性も

スカンジナビア航空のプレミアムエコノミー「SAS Plus」は東京(成田)-コペンハーゲンで運航中(写真:スカンジナビア航空提供)

 

プレミアムエコノミーは、航空会社ごとにさまざまな違いが見られる。

 

■ANA、JALのシート比較
日系の2社、ANAとJALで違うのは、例えば、前後の座席との間隔「シートピッチ」。JALのシートピッチは約107cmで、ANAは前述の通り約97cm。たった10cmの差とはいえ、実際に座ってみると長距離路線ほど大きく感じられることも。また、シートを後ろに倒すリクライニング時にも、JALは“シェル型”シートであるために後ろの人への圧迫感もない。
 

■アップグレードの方法の違い

一方で、エコノミークラスからのアップグレード方法もJALとANAで異なる。もしプレミアムエコノミーに空席がある場合、JALは出発当日に10,000円~(日本発)の追加料金を支払うと誰でもアップグレードできるが、ANAの場合はよく利用する上級会員向けの特典として出発24時間前から無料でアップグレード可能となっていて、よく利用する人にとってはANAのほうがお得感がある。

 

■日系にはなく外資系にある特長

また、日系2社にはなく外資系エアラインでしばしば見られるのが、歯ブラシなどのアメニティがポーチ入りであること。ルフトハンザ・ドイツ航空は「germanmade.」、キャセイ・パシフィック航空は「G.O.D.(Goods of Desire)」、フィンエアーは「マリメッコ」などのデザインで、持ち帰ることもできるので搭乗した記念にもなる。

 

さらに最近これも普及が進む機内Wi-Fiも、通常は有料のところ、スカンジナビア航空のプレミアムエコノミークラス「SAS Plus」ではプレミアムエコノミーでは無料で利用できるのもうれしい。