三浦知良は開幕戦当日が50歳の誕生日!
Jリーグが開幕する今週末は、J1ではなくJ2にも大きな注目が集まるはずだ。J2横浜FCに所属する“キング・カズ”こと三浦知良が、2月26日の試合当日に50歳の誕生日を迎えるからだ。
1993年5月のJリーグ開幕戦のピッチに立った選手で、いまも現役を続けているのはカズひとりしかいない。現役選手でありながら伝説的な存在となっているが、果たして彼はチームの戦力となっているのだろうか。
長期の戦線離脱もなくシーズンを過ごせる理由は…
答えは「YES」だ。J2リーグは22チームがホーム&アウェイの2回戦総当たり、合計44試合で順位を争う。18チームのJ1より試合数は「8」多く、J1のようにシーズン中の中断期間もない。肉体的な負担は大きいが、昨シーズンのカズはほぼ半分の20試合に出場した。試合には出場しなかったもののベンチ入りしたゲームを加えれば、チームの34試合に関わっている。長期の戦線離脱もなくシーズンを過ごし、約7試合分の出場時間で2ゴールをあげた。
キャリアの全盛期とは違って、現在はストライカーではないポジションでプレーすることもある。そのなかでの2得点なのだ。戦力として計算されるだけの成績を残した、と言うことができるだろう。
それも頷ける。身体のケアには、とにかく余念がない。30代から専属トレーナーと契約を結び、シーズンを通してコンディション維持に努めている。今シーズンの開幕に向けては、昨年12月から自主トレで身体を作ってきた。
すべての選手が手本とするプロ意識
「プロとは何か」を体現するカズの存在は、若いチームメイトにとって最高のお手本だ。その影響力は、横浜FCだけにとどまらない。
カズのトレードマークとなっている背番号11を、リスペクトを込めて着ける選手は多い。プーマのスパイクを愛用する選手のほとんどすべては、「カズさんが履いているから」という理由で選んでいると言ってもいい。
Jリーグ全体の平均寿命が延びているのも、カズの影響が大きい。今シーズンのJリーグでは、41歳の川口能活(SC相模原)、39歳の中澤佑二(横浜F・マリノス)、38歳の中村俊輔(ジュビロ磐田)、37歳の小野伸二(北海道コンサドーレ札幌)といったベテランが、それぞれのチームを牽引している。昨年のJ1リーグでMVPに輝いた中村憲剛(川崎フロンターレ)も36歳だ(注;年齢は2月25日のシーズン開幕時)。
彼らが現役を続ける理由のひとつに、「カズさんより先にはやめられない」という気持ちがある。30歳を過ぎたらベテランで、35歳を過ぎたら大ベテランというサッカー界の常識を、カズは覆してきた。
カズ自身は「サッカーがうまくなりたい。1試合でも多く試合に出て、1点でも多く得点したい」という純粋な思いを、プレーを続ける原動力としている。プロ32年目の第一歩となる2月26日のゲームで、カズはどのようなプレーを見せるのか。メモリアルなゴールを数多く記録してきた“50歳のサッカー少年”なら、バースデーゴールを決めてもおかしくない。
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