気象庁が落雷や竜巻など激しい突風に注意呼び掛け
気象庁は20日、北日本から西日本で21日明け方にかけて非常に強い風が吹き、東日本の太平洋側では大しけとなるところがあるとの気象情報を発表した。暴風や高波、暴風雪に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風に注意するよう呼び掛けている。
関東地方などでは南寄りの風が強まっており、成田空港と羽田空港では発着便の欠航などが出ている。またJRや小田急線などでも強風の影響で運転見合わせや列車遅延がある。Twitterなどでも「風が強すぎる」というつぶやきが増えている。今後、帰宅時間と重なることもあるので、注意をしたい。
竜巻や強風が発生した時、我々はどのような行動をとればいいのか。家庭でできる竜巻や強風への備えと心構えについて、災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏がAll Aboutの『強風被害に備えるには?台風と竜巻の季節がやってくる』で解説している。
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突風・竜巻の予兆は? 前兆現象を知る
和田氏によると、竜巻の発生しやすい状況(積乱雲の発生しやすい状況)は、「台風の接近」のほかに、「前線の存在」「急激な気温上昇」などがあるという。
「これは今や気象庁の雨雲レーダー画像や、各種の気象情報アプリなどでインターネットやスマートフォンから簡単に手に入れることが出来ます」
また、天気予報などで「大気が不安定」というような言葉が使われたならもう危険信号と考えてほしいと指摘し、前兆を感じるポイントについて、以下の点を挙げる。
- 夕方になってもいないのに「急にあたりが暗くなる」(黒い雲が近づいてくる)
- 大粒の雨、または雹(ひょう)が降り始める
- カミナリが発生する
- 夏なのに冷たい風が吹き始める
- ゴーという音が遠くから聞こえる
屋外にいる時の対策:竜巻の発生に気づいたら
黒い雲の底から漏斗(ろうと)状の雲が垂れさがってきたら、「まさに危険はすぐそこに迫った」状況だという。この時、物置やプレハブ、簡易的な車庫のような場所に逃げ込んだりすると、建物ごと飛ばされてしまったり、建物の破壊によって被害を受けてしまったりする可能性があるため危険。
すぐにでも頑丈な建物の中に避難するか、屋外で逃げ込めるような建物がない場合は、通り過ぎるまでの間、身を隠せるような側溝を見つけて飛び込むしかないと和田氏は述べている。
屋内にいる時の対策:強風被害を最小限にするには
室内においても、強風被害を受けないためには家屋の2階よりも1階、窓のある部屋よりもない部屋にいたほうが被害の可能性が少なくなるという。
また、和田氏は「雨戸やシャッターがある場合は事前にきちんと閉めておくこと」を呼び掛ける。これは、部屋に吹き込んだ風の圧力によって、家屋の屋根が吹き飛んでしまうような被害も発生しているためだという。
竜巻や台風の風そのものではなく、ベランダや家の周囲に置いてあった植木鉢や物干し棹など飛来物によって窓ガラスが被害を受ける可能性もある。そのため、強風被害の発生確率が高まったら、少なくとも前日には家の周囲やベランダ等の物を片づけて、室内に取り込むべきだという。
強風被害に備える5カ条
和田氏は強風や竜巻の被害に備えるために以下の5カ条を覚えておいてほしいとしている。
- 気象情報を常に身近に手に入れるような習慣を
- 「台風」は遠くにいても(発生していなくても)「竜巻」は発生する
- キーワードは「大気が不安定な状態」
- 「黒い雲の接近」「冷たい風」など前兆現象に注意
- 家の周囲の整理整頓、早めの屋内退避をしよう
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