トヨタの新型プリウスPHVがお披露目された
プラグインハイブリッドの初代プリウスPHVは、見た目がハイブリッドのプリウスと大差なく、モーターのみのEV走行も26.4kmとPHVとしては物足りなかった。トヨタが15日に発表した新型は、EV走行を68.2kmと大幅に延ばすとともに、専用デザインとなるエクステリアを与えるなど、プリウスとの違いを強調している。2代目プリウスPHVは成功作となるのだろうか。
モーター走行で68.2km走れる新型プリウスPHV
初代プリウスPHVのオーナーから「すぐにエンジンが始動してしまう」といった声が上がっていたそう。私自身も何度も試乗する機会があったが、街中で本当にゆっくりと走らない限り、すぐにエンジンが始動してしまう様子を見ると、PHVの利点を見いだすのは難しかった。
さらに初代プリウスPHVは、モーター走行で最高速100km/hに到達するとしていたが、すぐにバッテリーが空になってしまい、実用になるとは言いがたかった。
2代目となった新型プリウスPHVは、EV走行距離を2倍超の68.2kmまで拡大し、EV走行最高速度を135km/hに引き上げている。さらに、駆動用バッテリー専用ヒーターなどの採用によりエンジンが掛かりにくくなり、「よりEV度」を増しているというのが謳い文句だ。
量産モデルでは世界初となるソーラー充電も
また、充電方法も家庭などでの100V/6A(満充電まで約14時間)、200V/16A(約2時間20分で満充電)のほか、急速充電(約20分で満充電量の約80%まで充電)、そして量産モデルでは世界初となるソーラー充電システムをオプション設定し、最大約6.1km/日(平均で約2.9km/日)の走行分の電力を充電可能としている。
2代目プリウスPHVは、BMW330eの36.8km、フォルクスワーゲン・ゴルフGTEの53.1kmなどを抜き面目を保った格好。なお、日本勢でSUVの三菱アウトランダーPHEVは60.8km(ただし、アウトランダーPHEVはプリウスPHVよりも大きなSUV)。
68.2kmのEV走行が可能な新型プリウスPHVは、普段使いであれば充電した電力でEVとしてまかなえるだけでなく、急速充電により出先などでの充電、さらに万一電欠になっても給油さえできていればハイブリッド車としてもちろん走行できる。
月間目標台数の2500台をクリアできるか
売れるかどうかは、こうしたPHVとしての進化、専用となる内・外装、安全面などがまずどう評価されるか、そして326万1600円〜422万2800円という価格設定がどう捉えられるかによるだろう。すでに8000台を受注(予約受注)しているという新型プリウスPHV。出だしはまずは好調といえるだけに、ライフサイクルを通して月間目標台数の2500台をクリアできるか注目だ。