スペインから帰国!清武弘嗣のJリーグ復帰は「楽な道」ではない

日本代表で活躍する清武弘嗣が、2012年夏以来となるJリーグ復帰を果たした。スペインの強豪セビージャで出場機会を得られなかったからだが、古巣のセレッソ大阪でも大きな期待とプレッシャーを背負う。

今オフ最大の大型移籍

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日本代表でもある清武(左)がJリーグに復帰したが…(写真:日刊スポーツ/アフロ)

2月25日に開幕するJ1リーグに、久しぶりの大物選手が加わった。2012年のロンドン五輪と14年のブラジルW杯に出場し、ドイツ・ブンデスリーガで活躍した27歳━━清武弘嗣である。古巣のセレッソ大阪へ、4年ぶりに復帰したのだ。

12年からブンデスリーガで4シーズンを過ごした清武は、昨年夏にスペイン・リーガエスパニョーラの強豪セビージャへ移籍した。レアル・マドリードやバルセロナといった世界的強豪とリーグ戦の上位争いを演じるクラブで、清武は出場機会をつかめずにいた。
 

このままセビージャで実戦から遠ざかると、ゲーム勘は鈍るばかりだ。90分間プレーする体力も、練習だけでは維持できないところがある。3月に再開されるロシアW杯アジア最終予選で、日本代表の力になれないかもしれない。様々な可能性を秤にかけて、清武はJリーグ復帰を決断したのだった。
 

欧州移籍は一度限りのチャレンジではない

サッカーでも野球でも、海外から日本へ帰国すると「失敗」のイメージがつきまとう。ましてや清武は27歳だ。サッカー選手として、これからキャリアのピークへ近づいていくタイミングである。「Jリーグではなく、ヨーロッパでプレーを続けたほうが良かったのでは?」との疑問も漂うが、ヨーロッパへの移籍は回数が限られたものではない。セレッソ大阪でパワーアップをはかり、日本代表で結果を残し、タイミングが合えばもう一度チャレンジすればいいのだ。
 

ブラジルやアルゼンチンといった南米では、母国とヨーロッパのクラブを何度も往復することが珍しくない。東欧の選手だってそうだ。ベテランと呼ばれる時期にJリーグのクラブに加入し、再びヨーロッパへ戻った選手もいる。現在はJ1リーグのコンサドーレ札幌に在籍する小野伸二(37歳)も、オランダからJリーグへ復帰したのちにドイツでプレーしている。
 

清武がドイツで残した実績や、リーガの強豪セビージャが獲得した事実は、Jリーグへ復帰しても消えることはない。まだ27歳なのだ。健在ぶり、成長ぶりを示せば、二度目の欧州挑戦は十分に可能である。
 

国内復帰が“楽な道”でもない

セレッソは戦力が充実している。韓国代表GKのキム・ジンヒョン(29歳)、圧倒的なボール奪取能力を誇る日本代表MF山口蛍(26歳)、山口とともにブラジルW杯に出場したFW柿谷曜一朗(27歳)、長身で技術の高いFW杉本健勇(24歳)ら、タレントの質はJ1でもトップクラスと言っていい。

そのうえで、清武が加入したのだ。J2からJ1へ復帰して1年目のシーズンだが、セレッソを優勝候補に加える声も高まっている。清武の加入には、それぐらいの効果がある。中位や下位に甘んじるようなことがあれば、厳しい批判が待っている。
 

大きな期待を背負うぶん、プレッシャーも同じくらい大きい。それがまた、清武を成長させるはずだ。
 

2月25日の開幕戦で、セレッソはジュビロ磐田と激突する。元日本代表MF中村俊輔が攻撃を牽引するチームだ。清武との司令塔対決は、シーズン開幕を飾るにふさわしいだろう。 

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