鎌倉の冬の風物詩"大国祷会"、11日に開催!見物客も「冷水」に注意

鎌倉の冬の風物詩として知られるのが、毎年2月11日に、市内材木座の長勝寺で行われる、日蓮宗の修行僧たちによる水行「大国祷会 成満祭(だいこくとうえ じょうまんさい)」だ。冬空の下、締め込み一つで頭から冷水をかぶり、国体安泰と世界平和を祈る。

鎌倉の冬の風物詩として知られるのが、毎年2月11日に、市内材木座の長勝寺で行われる、日蓮宗の修行僧たちによる水行「大国祷会 成満祭(だいこくとうえ じょうまんさい)」だ。

 

国体安泰と世界平和を祈る冬の荒行

修行僧たちは、前年の11月から100日間にわたり、千葉県にある日蓮宗の本山、法華経寺(ほっけきょうじ)の道場にこもり、1日2回の粥(かゆ)をすするだけの食事と、1日7回の水行を続け、修行を積む。
 

2月11日、その修行の仕上げとして、鎌倉の長勝寺で、冬空の下、締め込み一つで頭から冷水をかぶり、国体安泰と世界平和を祈るのが「大国祷会 成満祭」だ。

 

白装束を身にまとった修行僧たちが、経文を唱えながら水行場にやってくる
白装束を身にまとった修行僧たちが、経文を唱えながら水行場にやってくる

 

水行は午前10:30頃に始まるが、例年、10:00頃には「水行場」の周囲には、すでに、カメラを手にした人々が大勢集まっている。
 

10:30になると、「うちわ太鼓」を鳴らす僧侶に導かれ、白装束を身にまとった修行僧たちが、経文を唱えながら水行場にやってくる。若い僧もいれば、年配の僧もいるが、皆、一様に髪も髭(ひげ)も伸び放題になっているのが、厳しい修行を表すようで印象的だ。
 

そして、白装束を脱ぎ、締め込み一つになると、ひときわ大きな声で祈祷した後、掛け声と共に冷水を頭から浴びる。

 

冬空の下、頭から冷水を浴びる修行僧たち
冬空の下、頭から冷水を浴びる修行僧たち

 

修行僧たちが寒いのはもちろんだが、見物の人々にも冷水が飛んでくる。中には、間近で見物中に冷水をかぶり、風邪をひいて寝込んでしまったなどという話もきくから、注意が必要だ。

 

長勝寺と周辺の見所

長勝寺は、観光寺院ではないので、それほど見所が多いわけではないが、帝釈堂の前に立つ「日蓮辻説法像」は、詩人・高村光太郎の父で彫刻家の高村光雲(1852~1934)の作で、もとは東京の洗足池に立てられていたもの。洗足池の名前の由来については、日蓮が旅の途上で、足を洗った霊跡であるという伝説があるのだ。

 

長勝寺の「日蓮辻説法像」(高村光雲作)
長勝寺の「日蓮辻説法像」(高村光雲作)

 

また、長勝寺の周辺には、日蓮が鎌倉で初めて庵を結び、『立正安国論』を執筆した旧跡とされる安国論寺や、境内の美しい苔むした石段から、鎌倉の「苔寺」として知られる妙法寺などもあるので、ゆっくり散歩を楽しむのもオススメだ。

 

長勝寺へのアクセスは、JR鎌倉駅よりバス緑ヶ丘入口行 「長勝寺」バス停下車、徒歩2分。

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