インターネットの検索サイトに、自身の逮捕歴に関する記事の検索結果を削除するよう男性が求めた裁判で、最高裁は「プライバシーの保護が情報を公表する価値より明らかに優越する場合に限って削除できる」として述べ、削除の請求を退けた。共同通信などが報じている。
削除には厳格な条件を満たす必要があるとする初の基準を示し、今回は「男性の逮捕歴は公共の利害に関する」と結論付けたという。一方、「忘れられる権利」については言及しなかった。
今回は、逮捕歴という事実を検索結果から削除しないという判断となったが、インターネット上にデマや誹謗中傷を書き込まれたり、なりすましで書き込みをされたりすることがある。こうしたインターネット上の書き込みを削除する方法について、ITジャーナリストの高橋暁子氏がAll Aboutの『すぐ消したい!ネットの書き込みを削除依頼する方法』で解説をしている。
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書き込みを放置して人生を台無しにすることも
インターネット上にデマや誹謗中傷を書き込まれたり、なりすましで書き込みをされたりすることがある。
高橋氏によると、そのような書き込みを放っておくと、あなたの名前で検索した時にそのような書き込みが見つかり、評判を傷つける可能性があるとしている。例えば、就職活動がうまくいかなかった原因が過去にインターネット上に書き込まれたデマだったケースなどもある。
「書き込みを放っておくと、自分の評判に傷を付け、人生を台無しにする可能性があります。問題となる前に、見つけ次第削除しておきましょう」
問題がある書き込みを見つけたら削除依頼を
問題がある書き込みを見つけたら、削除依頼をする。手順は以下の通りと高橋氏は説明する。
■書き込んだ相手が分かっている場合
⇒書き込んだ本人に削除をお願いする。
■書き込んだ相手が分からない場合
⇒サイトの管理者や運営会社、プロバイダに削除依頼をする。
連絡手段は、管理者への連絡用フォーム、問い合わせ先、掲示板など。サイト上に連絡フォーム等がない場合は、掲示板等の運営会社やプロバイダを調べて「送信防止措置依頼書」を送付する必要がある。
「依頼をする時は、書き込みが掲載されているURL、内容、削除してほしい理由、自分の立場などを明記します。書き込みはキャプチャなどで保存し、削除依頼に関するやりとりも別途保存しておきましょう」
削除されない時は相談機関に問い合わせ
依頼後も削除されない場合は、相談機関に相談すると対応策が見つかる可能性があるという。裁判所に「削除仮処分命令の申立て」を行うことも可能と高橋氏は指摘する。
相談機関には以下のようなものがある。
- 警察署、都道府県警察本部サイバー犯罪相談窓口
- 違法・有害情報センター(メールや電話で各サービスの対応を教えてくれる)
- 法務局、地方法務局
- 「みんなの人権110番」(0570-003-110)
依頼しても削除されない場合は
依頼しても、“本人の権利が侵害されている”ということが管理者に認められない場合は、削除されない場合があるという。そのような場合は、法務局の人権相談窓口に相談し、人権侵害が明らかと判断された場合は代わりに削除申請をしてくれるという。
「自分についての情報がネットにあふれている時代です。思わぬ風評被害にあうことがないよう、時々、自分の名前の検索結果に問題がないかどうか確認するようにしましょう」
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