保育園だけじゃない“待機児童問題”
厚生労働省では、放課後児童クラブ数や利用登録している児童の数(登録児童数)などの状況を把握するための調査を毎年実施しており、利用したくても利用できない待機児童が、2016年5月の時点で1万7203人と、過去最多を更新したことを発表した。放課後児童クラブ数は前年より約1000か所増となっているが、利用したい児童の数も増加しており、前の年から262人の増加。特に小学4年生~6年生の希望者が増えており、前年より1,013人の増加となっている。
保育園だけでなく、小学生でも待機児童問題が深刻である中、放課後児童クラブに入所できない場合はどうすればよいのだろうか。子育て問題に詳しいジャーナリストの猪熊弘子氏がAll Aboutの「学童保育に入れなかったら?」で次のように紹介している。
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共働き家庭の児童らの遊び・生活の場
放課後児童クラブは、「学童クラブ」「学童保育所」「学童保育」「学童」など、地域や自治体によって呼び名が異なるが、小学校の余裕教室や児童館などで、共働き家庭等の小学校に就学している児童に放課後等の適切な遊びや生活の場として提供されている。
猪熊氏によると、学童保育の入所に当たっては新1年生を優先するところがほとんどのため、きちんと申請していれば、新1年生で入所できない確率はかなり低くなるのが普通だが、入所要件が低かったり、書類の不備などがあった場合、また学区内に学童保育がない場合などについては以下のような方法が考えられるという。
学童保育に入れなかったときの4つの対処法
1.民間(企業の場合も)による学童保育を探す
都市部では、かなり増えてきているのがこのタイプの学童保育。民間だけに、比較的夜遅くまでやっている場合が多いよう。ただし、費用もそれなりにかかるのが難点。
2.ベビーシッターをたのむ
せめて1年生の最初の時期だけでも、子どもを1人で家にいさせたくないもの。安全料だと思って、ベビーシッターさんをお願いする方法もある。同じようなお友達が数人いれば、教育系の学科や保育系の学科に通っている大学生にアルバイトを頼むという選択肢も。そういった学科のある大学の学生課などに問い合わせて、アルバイト登録ができるか聞いてみるの一つの手だろう。
3.ファミリーサポートにお願いする
ベビーシッター同様、地域のサポーターの方にお願いする方法もある。ただ、人気のある方は「取り合い」状態なのが現実。早めに探しておくことが重要となる。
4.塾や習い事に通わせる
学童がわりに、バスのお迎えがあるスイミングスクールや、学校の近くの塾などに通わせるという選択肢も。これもお金がかかるので、家計と相談になる。子どもに無理のない場所を選びたい。
小学校入学は決まったものの、学童保育に入れず、放課後の行き場所がない…という事態にならないために、事前調査と対策をしっかりとしておきたい。
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