過労自殺問題で、労基署が関電社長を指導 自殺から救うための心得は

関西電力高浜原発の運転延長の対応をしていた関電の管理職の男性が自殺した問題で、労働基準監督署が関電の岩根茂樹社長を出頭させ、適切な労働管理を求める指導を直接行っていたと報じられている。企業としての過労自殺をさせない対策をすることが大前提にあるが、身近な同僚や家族の様子がおかしいと感じたとき、対処することも忘れてはならない。

関西電力高浜原発の運転延長の対応に当たっていた同社の管理職の男性が自殺した問題で、労働基準監督署が関電の岩根茂樹社長を出頭させ、適切な労働管理を求める指導を直接行っていたことが15日にわかったと報じられている。

参考記事:労基署、関電社長出頭させ指導 課長過労自殺問題で

  

今回の問題に関しては、自殺した社員は「管理監督者」であり、労働基準法上、労働時間の制限を受けないため労務管理が一般労働者と比べておろそかになりやすい。管理職だろうと一般労働者だろうと、企業として過労自殺をさせない対策をすることが大前提にある。

  

しかし、身近な同僚や家族の様子がおかしいと感じたとき、対処することも忘れてはならない。一体、どのようにして身近な人の「命の危険」に気付き、対応すればよいのだろうか。これに関して、精神保健福祉士の大美賀直子氏がAll Aboutの『「自殺しそうな人」の8つのサイン』で次のように解説している。

 

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自殺を考える人の思いとは…

絶望

ストレス社会の現代、悩みをうまく解消する方法を見つけられずに生きる自信をなくし、「死んでしまいたい」という気持ちにとらわれてしまう人々…。大美賀氏によると、これはストレスなどによって脳内神経の情報伝達がうまくいかなくなってしまったときに、よく起こると言われているという。
 
たいていの人なら、マイナスな考えが頭に浮かんでも、すぐに気持ちの切り替えができるが、上記の状態になると、合理的で現実的な判断ができなくなり、最終的には「自殺」という解決策以外、頭に浮かばなくなってしまうのだという。

 

自殺する人は、そのサインを事前に発信している

注意したいのは以下の8つのサイン。自殺したい人は、下記のようなサインを発信しているといい、自殺から救うために必要なのは、家族やパートナーなど、その人の身近にいる人が、自殺のサインに気づいてあげることだという。

 

1 いつも自分を責めて、マイナスのことばかりをいう(「自分なんかいなくなったほうがいい」など、自責の言葉ばかり口にしているなど) 

2 朝の調子がとても悪くなった(いつもの時間にすっきり起きられない、朝食が食べられない、朝刊に目を通す気力がないなど) 

3 最近、ストレスにつながるライフイベントがあった(親しい人との死別や離別、離婚、結婚、就職、昇進、降格、転勤、退職、引越し、出産など) 

4 体調の悪い時期がずっと続いている(持病をわずらっている。また、更年期、老年期など) 

5 家族とも顔を合わせたがらない(部屋にこもってしまう、話すのもおっくうな様子など) 

6 過去に自殺未遂をしている(一度、自殺を試みた人は繰り返すことがあります) 

7 身の回りを整理している(大切にしていたものや手紙や写真を捨てているなど) 

8 食欲がない(極端に食べる量が少なくなっているなど)

 

あせらずゆっくりとサポートすることが大切

「自殺したい」という考え方を自分だけの力で修正するのはなかなか難しいため、身近な人のサポートがとても大切になるという大美賀氏。上記のようなサインに気づいたら、その人の行動を注意深く見守り、早めに精神科での治療をスタートさせること、家族やパートナーが一緒に受診し、サポートする側の心得や処方薬の服用方法などを確認したほうがよいという。

 

大美賀氏によると、実は治療を経て回復しかけた頃がもっとも自殺の危険性が高いという。職場復帰の時期が早すぎたり、復帰後の対応がうまくいかないと、うまく回復できず、急に絶望が深まって発作的に自殺したくなることも多いのだという。

 

「そのため、あらかじめ家族やパートナーが、職場の上司と打ち合わせておくことが大切です。仕事のノルマを減らす、労働時間を減らす、人間関係がギクシャクしないように配慮する、など、復帰後の心の負担が少なくなるような対応を、家族と職場の双方で考えておきましょう」

 

本人が元の生活ペースに早く戻りたいとあせっても、家族はあせりを鎮めてゆっくり回復していけるようにサポートすることが大切だと大美賀氏はアドバイスしている。

  

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「自殺しそうな人」の8つのサイン

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