東京電力は24日、降雪と気温の低下による暖房需要の増加などから、電力需給が厳しい状況だとして、節電の協力を呼び掛けている。東電によると、同管轄内の電力使用率が10時台に95%に達していた。14時台の実績は94%となっている。
我々はどのようにして、寒さが厳しい冬場の節電に取り組めばよいだろうか。これに関して、家計管理に詳しいファイナンシャルプランナーの氏家祥美氏が『今すぐできる節電・停電対策』でアドバイスしている。
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氏家氏によると、エアコン、冷蔵庫、照明器具、テレビの4つが家庭での電力消費量が多い機器だといい、「この4つの機器の使い方に気をつければ効果的に消費電力を減らせるということになります」と述べている。
暖房を1日1時間短縮するとどうなる?
省エネルギーセンターによると、冬の暖房を1日1時間短縮すると年間900円の節約、さらに暖房時の室温を1度下げると年間で1170円の節約になるという。
同じ設定温度でも快適に過ごせる方法としては以下の2つがある。
- 床まで届く長さの厚いカーテンを使用する
- 部屋の上部にたまった暖かい空気を循環させる
体感温度を上げるには?
身につけるものを調節することでも体感温度を上げることは可能だ。
「カーディガン1枚で2.2度、ひざかけで2.5度、ソックスで0.6度も体感温度が変わるというデータもあります。とてもお手軽なので試してみましょう。その他、手、首、腰回りを温めるとあたたかく感じます。身体が冷え切ったときには、首にスカーフを巻く、手袋をはめるだけでも体感温度が変わってきますよ。室内でもぜひ試してみてくださいね」
さらに、室内の湿度を上げておくと同じ温度でもあたたかく感じられる。室内の湿度を上げるには以下のような対策がある。
- 室内に濡れたタオルをかけておく
- 観葉植物に水を上げる
この対策は、節電だけでなく、美容やインフルエンザの対策にもなると氏家氏は説明している。
冷蔵庫の詰め込みすぎはムダのもと
冷蔵庫の設定温度を「強」から「中」に変えると、年間で約1360円の節約になる。また、詰め込みすぎの冷蔵庫は、「ムダのもと」になるといい、モノを半分に減らすと、電気代を年間960円節約できる。
テレビは視聴時間を短めに
テレビを1日1時間消すと、年間で700円の節約になる。
「ついついつけっぱなしにしてしまいがちなテレビですが、たまにはテレビを消して好きな音楽を聴いたり、音のない時間を過ごしてみるのもいいものです」
LED電球の年間消費電力は603円
無駄な電気は消すというのは節約の基本。
さらに効果的な節電を取り入れたいと思ったら、LED電球の使用を氏家氏は勧める。
白熱電球ひとつあたりの年間消費電力が2890円であるのに対して、LED電球の年間消費電力は603円(SHARPのホームページより)。電球ひとつをLED電球に変えるだけで、1年間の電気代を2287円も減らせる計算になる。
「しかも、普通の電球(1個125円前後、筆者調べ)は年間4回ほど交換が必要なのに対して、LED電球(1個2000円前後、筆者調べ)は約10年間使えます。交換の手間がかからない上に、電球代だけでも10年間で約3000円の差がつく計算になります。LED電球に交換するメリットは、電気代と電球代をあわせて10年間で25870円。家庭内で使用する電球はひとつではありませんから、トータルではなかなか大きな節約が期待できますね」
こまめな節電対策は、家計のプラスにつながる。これを機会に家電の使い方などを見直してみてはいかがだろうか。
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