元おニャン子クラブでタレントの渡辺美奈代(47)が16日、ブログを更新。卵巣のう腫摘出手術のため、入院する事を明かした。
ブログによると、のう腫が大きくなり、10月頃から痛みの症状が出始めたため、手術をする事になったという。「手術も腹腔鏡下手術なので長い入院にはならないそうです。手術日も近づいていますが普段通り日常のブログは更新していきますのでお付き合いくださいねっ」と説明している。
卵巣のう腫とはどのようなものなのだろうか。女性の病気に詳しい医師の山田恵子氏がAll Aboutの『卵巣腫瘍ってどんなもの?』で次のように解説している。
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卵巣は体のなかでもっとも腫瘍ができやすい臓器
「卵巣は、アーモンドの粒~親指の先ぐらいの大きさの臓器で、右と左の両方に1個ずつあります。そして、なんと、実は卵巣は体のなかでもっとも腫瘍ができやすい臓器なのです。考えてみれば、生命のもとになる卵子があり、毎月細胞分裂しているのですから、当然といえば当然です。
そんなわけで卵巣にはさまざまな腫瘍ができますが、その中には大きく分けて、良性のことが多い『卵巣のう腫』と、悪性のことが多い『充実性腫瘍』があります。卵巣の腫瘍のうち約9割が『卵巣のう腫』で残りの1割が『充実性腫瘍』なのですね」
つまり、卵巣のう腫は、卵巣腫瘍の一つなのだ。
卵巣のう腫は水風船みたいなもの
卵巣のう腫は、卵巣の中に分泌液がたまってはれてしまうもので、山田氏は「イメージとしては、ぶよぶよした水風船みたいなもの」と述べている。卵巣のう腫は以下の3種類に分けられる。
- 皮様のう腫 成熟期の女性に見られ、妊娠中に見つかることも多い
- 偽ムチンのう腫 更年期の女性にできることが多い
- しょう液性のう腫 一番、発症頻度が高く、10代から30代の若い女性に最も多く見られる
卵巣のう腫の症状は表れにくい
卵巣のう腫の症状は表れにくく、そのため妊娠検査やガン検診で偶然発見されることが多い。そのため定期検診が大事になると山田氏は指摘している。
「症状が表れるのは、のう腫がこぶし程に大きくなってからです。のう腫が周囲の膀胱や尿管を圧迫すれば頻尿を起こしたりしますし、また、腸が圧迫されれば便秘が起こります。月経時以外の腰痛、腹痛も起こることもあります。おなかがなんとなく膨らむ、不正出血がある、水っぽいおりものがある、という症状がでるひともいるようです」
ある程度以上の大きさになる前でも、月経(生理)や排卵のときに『おなかがちくちくする』『腰痛がある』という症状がある場合も見られる。
また、のう腫の根元がねじれた「茎捻転」になった場合は危険で、「かなりの激痛があり、吐き気、出血を伴い、感染を伴えば発熱します。場合によってはショックで意識不明になってしまうこともあります」と山田氏は述べている。
卵巣のう腫と言われた場合にお医者さんに尋ねておくべきこと
のう腫が小さいうちは経過観察が一般的だが、増大傾向のあるものについては、開腹手術と腹腔鏡による手術で摘出することになると山田氏は説明している。なお、卵巣は2つあるので、1個摘出しても、残った卵巣が正常に働けば問題はない。
卵巣のう腫と診断された時に確認しておくべきこととして以下のポイントがある。
「腫瘍の大きさと位置、手術の必要性、手術した場合には腫瘍以外にどれくらい卵巣を取るのか、またその場合は将来の妊娠にどの程度影響するのか……などですね。また、もし手術を受けたら、 摘出した腫瘍の名前、腫瘍の再発の可能性などをきいておくといいでしょう」
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