気象庁によると、21日午後2時7分ごろ、鳥取県中部を震源とする地震が発生し、鳥取県倉吉市、湯梨浜町、北栄町で震度6弱を観測した。震源の深さは約10キロで、地震の規模はマグニチュード(M)6.6と推定される。そのほか、鳥取市や三朝町などで震度5強を観測し、中国地方を中心に、関東地方から九州地方にかけて震度5弱~1を観測している。この地震による津波の心配はないという。
揺れの大きかった地域では今後1週間程度、最大震度6弱程度の地震に注意してほしいと気象庁は呼び掛けている。
今後も地震(余震)に注意しなければいけない時、どのようにしてに備え、自分の身を守ればよいだろうか。家具転倒防止金具などの防災グッズを使わずにできる、応急的な自宅の家具転倒防止対策について、一級建築士の井上恵子氏がAll Aboutで以下のように解説している。
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応急的に余震に備えるには
地震や余震が発生したときに家具転倒防止が役に立つが、地震発生後に急いでホームセンターに向かっても、L型金具、つっぱり棒、チェーン、転倒防止マットなどのいわゆる家具転倒防止金具などは売り切れが続出し入手しにくくなる場合がある。こうした時に家具転倒防止金具などに頼らない「応急的」な家具転倒防止対策があると井上氏はすすめている。
背の高い本棚、タンスの転倒防止
本棚などには転倒防止対策をしておきたい
背の高い本棚、タンス等が倒れるのを防ぐためには、以下のような対策。
(1)本棚、タンスの上に本などをきっちりと詰める
(2)本棚、タンスの足元手前にダンボールなどをかませておく
天井に届いていない背の高い本棚やタンスの上には雑誌等をパンパンに詰めることで、揺れが起こった時に突っ張り効果で転倒を防げる。また、本棚、タンスの足元の手前にダンボールなどをかませ、背中の壁側に荷重を偏らせておくことで、手前に倒れにくくなるという。
食器棚の中のグラスやお酒の転倒防止
食器棚からグラスや食器が飛び出すことを防ぐには、地震時に食器棚の扉があかないようにする必要があると井上氏は述べており、中でも「吊り戸棚など高い部分にある収納扉には飛び出し防止対策がぜひとも欲しい」としている。
井上氏によると、ホームセンターなどには自分で簡単につけられる耐震ラッチが売られているが、入手が困難な場合は、食器棚の手前にカフェカーテンなどに使う突っ張り棒を渡しておくのが良いという。これによって、揺れの強さにも寄るが酒類の転倒予防になるという。
基本事項の確認
井上氏は、地震時の自宅内事故防止策として基本的なことを確認しておいてほしいと呼び掛けている。
- 高いところに重い物を置かない
- 本棚や食器棚の上にある重いものや本は降ろしておく
- 高い部分に置いてあるガラス製品や瓶類も下に降ろしておく
- 本棚やタンスは下部を重く上部を軽くする
- 本棚、食器棚のガラス扉には飛散防止フィルムを貼る
- 地震時には飛散防止策を取っていないガラス、ガラス扉などからすぐに離れる
テレビ、パソコン周りをチェックする
テレビ、パソコンは地震情報を入手するために非常に役立つが、地震で周囲のものが落下し使い物にならなくなったという声もあると井上氏は指摘する。これを受け、テレビやパソコン周りをチェックして、危険な物を片づけるようにしておきたいとしている。
本格的な対策も
井上氏は、ここまで紹介した対策はあくまで軽微な揺れに対する応急的な転倒防止、落下防止対策であり、家具転倒防止金具などが入手出来次第、そちらに切り替え本格的な転倒防止策をとってほしいと呼び掛けている。
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