卒業式の1日、6年生の担任はどんな仕事をしている?
6年間の集大成となる小学校の卒業式。子どもにとっても保護者にとっても特別な1日ですが、それは6年間成長を見つめてきた先生たちも同じ思いです。今回は6年生の担任にとっての「卒業式の1日」、そして「中学校との連携」について、現役の小学校教師である松下隼司さんにお聞きしました。
【質問】
6年生の担任の先生は、卒業式前後は何をしているのですか? また、中学校には入学前にどんな情報が共有されているのですか?
【回答】
卒業式の前には名前を呼ぶ練習を、卒業式の後は、不登校の子どもたちへの対応をしたり、教室の後片付けをしています。中学校には、子どもたちの学習状況のほか、将来のキャリアにつながる学習の軌跡を引き継ぎます。
どういうことなのか、以下で詳しく説明します。
子どもたちが知らない「先生の卒業式当日」
6年生のお子さんと保護者にとっては、6年間の学びの集大成ともいえる卒業式当日。胸を張って卒業生を送れるよう、6年生の担任も朝から準備をしています。小学校の卒業式では、卒業生の名前を一人ひとり呼び、卒業証書を渡すスタイルが多いと思いますが、担任の先生は朝早く教室に来てその練習をします。
子どもたちとの思い出を振り返りながら、1年間呼び慣れた名前の呼び方を確認します。先生にとっての、最後のお別れの予行練習ですね。
小学校では、入学式の日、教室で担任の先生から名前を呼ばれて学校生活をスタートします。そして、卒業式で名前を呼ばれて学校生活を修了します。
卒業式で名前を呼ぶ時間は、子どもたちの小学校生活を締めくくるとても大切な瞬間なのです。教師はそのことを意識しながら、間違えたり聞き取りにくかったりしないよう、しっかり練習して本番に臨みます。
その後、ネクタイや袴(はかま)を整えて「先生スイッチ」を入れ、教室で子どもたちを迎えます。
卒業式の後に「もう1つの卒業式」が行われることも
卒業式直後は、不登校などによって卒業式に出られなかった子どもの対応をしている場合があります。近年、不登校児童は増加傾向にありますが、やはり卒業式は特別な時間ですから、学校としてもなんとか本人に合う形で卒業証書を渡したいと思っています。
そこで、一人ひとりのお子さんに「どのような形で卒業証書をもらいたいか」をヒアリングし、それを形にするようにしています。
同級生が帰った後に卒業式会場でもらいたいという子もいれば、それも難しいから小さな会議室や玄関先で渡してほしい、という子もいます。
不登校にはさまざまな理由があり、その理由が学校自体にあるという場合も少なくありません。
そうした子どもたちを置いてけぼりにしないよう、あらゆる方法を考えて貴重な学校行事の機会を経験できるようにするのも、教師の大事な役割だと思っています。
ここまでが卒業式当日の話です。
卒業式から修了式までの数日は、主に事務作業や年度末の片付けなどをしていますね。卒業式までは卒業アルバムや文集などの作成に大忙しですから、そういった事務作業があまり進んでいないことが多いんです。
そのほかに、他の学年のヘルプに回ることもあると思います。



