今回は、大阪府在住・39歳女性のエピソードを紹介します。
この記事の執筆者:
All About ニュース編集部
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回答者のプロフィール
回答者本人:39歳女性在住:大阪府
家族構成:既婚(子あり)
住居形態:賃貸
職業:パート・アルバイト
年収:180万円
現在の貯金額:70万円
独立行政法人日本学生支援機構が発表した「令和5年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」によると、奨学金の返済を延滞していない奨学生1414人のうち、年収300万円以下の割合は38.6%でした。
回答者の奨学金の状況
借りた奨学金の種類:貸与奨学金(返済必要)返済状況:返済中
奨学金で利用した金額(総額):280万円
返済残高:90万円
月々の返済額:1万3000円
同機関が発表した「令和4年度学生生活調査結果」によると、大学では55%、短期大学では61%の学生が奨学金を利用中。それぞれ令和2年度に行われた調査よりも上昇しています。
「深く考えずに申し込んだ部分も正直あります」
奨学金を利用した理由を聞くと「家庭の経済的な事情で、学費を全て親に負担してもらうのが難しかったため利用しました。当時はどうしても進みたい学部があり、自分の将来のために進学を諦めたくなかったので、学費や生活費の一部を賄うために奨学金を借りました。周囲でも利用している人が多く、『働き始めたら返せるだろう』と深く考えずに申し込んだ部分も正直あります」と話してくれました。「あと少し返済が軽ければ…」
返済でしんどいと思うことを聞くと「家計が厳しい月でも返済だけは遅らせられないので、気持ちに余裕がなくなることがあります。特に子どもの急な出費が重なると『あと少し返済が軽ければ…』と思ってしまいます」と回答。奨学金に関する後悔については、「当時あまり深く考えずに借りてしまったことです。就職後も長く返済が続くとは分かっていたはずなのに、『なんとかなるだろう』と楽観的でした」と当時の心境について振り返りました。
「子どもが生まれてからは家計の優先順位が変わり、返済額が重く感じるようになりました。特に、育休で収入が減った時には返済が精神的な負担にもなり、『もう少し借入額を抑える努力をしておけば良かった』と強く後悔しました」と続けています。
「パートのシフトも少し増やして収入を確保」
月々の返済では、「毎月の家計簿をつけてムダを見直し、できる限り返済に回せるよう意識しています。特に外食や嗜好品の購入を控え、パートのシフトも少し増やして収入を確保するようにしました。また、返済の遅延が怖いので、毎月必ず奨学金用に別口座へ先に取り分ける方法にしています。小さな工夫ですが、気持ちが楽になりました」と支出に関する工夫を教えてくれました。奨学金と向き合う日々の中で、返済の重さや家計の変化に揺れ動きながらも、自分なりの工夫で生活と両立させてきた回答者の歩みには、制度の“現実”が率直に映し出されていました。
※回答者のコメントは原文ママです



