今夏、編集部が特に注目したのが「“熱さまシート”に“氷をつくるスプレー”を吹きかけると驚くほど冷える」という投稿。小林製薬はこのユニークなアイデアに対し、まさかの公式検証を実施。その経緯や活用法を、ブランド担当の宮本さんと玉置さん、広報担当の加藤さんに伺いました。
想定外の使い方、公式はどう見る?
宮本さん「『熱さまシート』は本来、発熱時に使うものですが、近年の猛暑で“暑さ対策アイテム”としての需要が高まっています。SNSで広がるライフハック的な活用法は、生活者の知恵として非常にユニークで、むしろポジティブに受け止めています」玉置さん「暑さが不快だけでなく、頭痛や不眠など不調にまでつながることを考えると、ユーザーの発見は本当にありがたいですね」
公式として積極的に発信してはいないものの、ユーザーのアイデアが新しい価値の創造につながっていると感じているようです。
ファクトチェックの舞台裏
今回の「熱さまシート」+「氷スプレー」検証は、SNS上の声をきっかけに担当チームが動き出しました。宮本さん「マーケティングと研究開発のメンバーが連携し、実際に社内試験を行いました。安全性や使用環境を想定した上で、効果を確認し、店頭のPOPや情報発信につなげています」
玉置さん「私たちは日常的にSNSや口コミをチェックしています。楽天市場やコスメサイトのレビューを数値化して“新しい使い方が増えているか”を分析することもあります。ユーザーの声が大事な情報源になっているんです」
公式おすすめ「氷熱さまシート」の作り方
①「タオルに氷をつくるスプレー」を上下に強く10回程度振る②噴射口から約10cm離し、「熱さまシート」の白い不織布側(貼り付けない側)全体に3秒間スプレーする
③おでこに貼る
この使い方をするとシート上に氷が形成され、おでこに「熱さまシート」を貼ると外出先でも肌温度が最大マイナス10度(※)低下。暑い日の屋外で使うと、ひんやりしてスッキリします。
※気温32度環境でシートの不織布全体に3秒間噴射した場合の、シート貼付後1分後に肌温度が低下する最大の低下温度
実際に使ってみたら………
玉置さん「夕方の公園で、いつものシートに氷スプレーをプラスして子どものおでこに貼ってみると“すごい冷たい!”と最後まで外さずに遊んでいて、親としても安心でした」
加藤さん「私は(現在開催中の)大阪・関西万博によく行くのですが、氷スプレーと熱さまシートは必携アイテム。長い待ち時間に使うと周囲から『それ何!?』と注目されます。スプレーは氷が解けて乾いた後も白残りしにくいので、服にも安心して使えるのが気に入っています」
秋以降も広がる利用シーン
宮本さん「発熱の際に使うものとして定着している商品ですが、集中力を高めたい時の休憩時やリフレッシュ、眠気覚ましにも使えると思っています。ユーザーの創意工夫に学びながら、より広い場面での活用を考えていきたいです」
玉置さん「おでこに貼るのが定番ですが、首の後ろや背中に貼って使い方を工夫する方もいます。そうした新しいシーンを公式からもしっかり発信できるように、今後さらに調査していきたいです」
海外やインバウンドでの反応は?
宮本さん「コロナ禍以前は“日本旅行で必ず買うお土産”とも言われていました。最近は海外での販売も増えており、そこまでではないですが、韓国などでは受験や美容後のダウンタイム用のお土産としてアイマスクタイプの『熱さまシート』が話題になりました」玉置さん「海外展開では国ごとにパッケージデザインを調整しますが、黄色の帯や“熱さまくん”“お父さん”のキャラクターイラストは一部の国を除いては基本的に統一し、ブランドとして視認性の共通化を意識しています」
今回の検証を通じて明らかになったのは、SNSでの“遊び心ある発見”が、公式によって裏付けられると確かな安心につながるということ。まだ暑さが続くこの季節、「熱さまシート+氷スプレー」のあわせ技は確かに“本物のライフハック”といえそうです。



