
「All About」インターネットサービスガイドのばんかが解説します。
(今回の質問)
急速充電のモバイルバッテリーでiPhoneをよく充電しています。iPhone本体のバッテリー劣化につながりますか?
(回答)
急速充電による発熱や負荷は、多少は影響があると考えられるかもしれません。ですがその影響は小さく、iPhone・モバイルバッテリーともに、適切な状況下で使用するのであれば、バッテリーの大きな劣化や故障につながるリスクは低いといえるでしょう。信頼できる製品を選び、過度な高温環境を避けることで、安心して急速充電を活用できます。
「急速充電で過度に負荷がかかる」とはいえない
iPhone 8以降のモデルでは、約30分でバッテリーを最大50%まで高速充電できる機能が備わっています。これはApple公式Webサイトでも推奨されている機能であり、日常的に使用しても極端にバッテリーを劣化させることはありません。ただし、「急速充電」によって高速で電流を流せば通常よりも発熱が生じやすくなるのは事実です。この発熱が繰り返されることで、わずかではあるもののバッテリーの劣化を早める要因になる可能性はあります。しかしこれは「急速充電」によるものというよりも、リチウムイオンバッテリーそのものの特性であるため、「急速充電を行うことで、過度に負荷がかかる」とはいえないでしょう。
また、iPhoneには内部温度を監視し、過熱を検知すると自動で充電速度を落とすなどの安全機構が備わっています。これにより、過充電や異常な発熱を防ぐ制御が行われているため、通常の使い方であれば過度な心配は不要です。
重要なのは「適切な充電環境の維持」
さらにiOSには「最適化されたバッテリー充電」という機能が実装されています。これは、日々の充電習慣を学習して、バッテリーにかかる負担を抑える機能。設定から有効にしておくことで、バッテリーの長寿命化につながります。この機能からもいえるのは、バッテリーへの影響を抑えたいのであれば「急速充電を控える」のではなく、適切な充電環境を維持することが重要だということ。例えば充電中の利用や、直射日光の当たる場所での充電など、バッテリーが高温になって負荷がかかるような状況を避けるのが大切です。
モバイルバッテリー側への影響
では、モバイルバッテリー本体への負荷はどうなのでしょうか。結論からいえば、急速充電を繰り返すことによって、モバイルバッテリー本体にもある程度の負荷はかかります。特に、出力が高い状態が継続すると内部で発熱しやすくなるため、放熱設計が甘い製品では寿命を縮める原因になる場合も否定できません。とはいえ、現在市販されている多くのモバイルバッテリー製品は、過熱防止や過電流防止、過充電防止などの保護機能を備えており、信頼性の高いブランドであれば心配は少ないでしょう。中でも「PSEマーク(電気用品安全法適合の印)」が付与されている製品は、日本国内で安全性が確認されたものであり、安心して使用できます。
一方、あまりに安価で無名の製品には注意が必要です。保護回路が不十分なものや、長時間の使用に耐えられないような品質のよくないバッテリーが存在するのも事実。こうした製品では、本体が膨張したり、最悪の場合は発煙・発火につながるケースも報告されていますので、注意してください。
この記事の筆者:ばんか
月間50万PVを達成している「あなたのスイッチを押すブログ」を運営するブロガー。iPhone・Mac・Evernoteなど、ITサービスやガジェットの使い方を取り上げ、ビジネスやライフスタイルを楽しく便利にするヒントを紹介している。本業はホームページ制作会社のディレクター。
月間50万PVを達成している「あなたのスイッチを押すブログ」を運営するブロガー。iPhone・Mac・Evernoteなど、ITサービスやガジェットの使い方を取り上げ、ビジネスやライフスタイルを楽しく便利にするヒントを紹介している。本業はホームページ制作会社のディレクター。