2025年3月6日、東北新幹線E5系「はやぶさ」と秋田新幹線E6系「こまち」の連結が外れたという事故報道があった。一定期間連結での運転を休止するなど大きな問題になったが、そもそも新幹線車両の連結はどのように行われているのだろうか? 「All About」鉄道ガイドの野田隆が解説する。
(今回の質問)
東北新幹線の連結方法は?
(回答)
先頭部のカバーが自動的に開き、連結器同士でつながる。いとも簡単な連結方法だ。
東北新幹線E5系とE6系の連結作業風景
新幹線車両E5、E6系、そしてE8系「つばさ」などの先頭部には他の車両と連結するための連結器が流線形カバー内部に収納されている。単独走行のとき、カバーは開かないけれど、連結するときはカバーが開いて連結器が見えるようになる。





ドイツの高速列車ICEの2編成連結列車
新幹線のような高速列車の連結は珍しいものだが、ドイツの高速列車ICE(InterCity Express)でも2編成が連結されて走る姿を時々見かける。
在来線列車の連結風景

そうした回路は、ジャンパ線としてまとめられているが、連結器がつながった後に作業員が手作業でつなぐのだ。複雑な作業なので、作業員が緑と赤の旗を振りながら運転士と連絡をとりつつ安全を何度も確認しながら慎重に行っていた。

それで、連結した後、安全に通り抜けができるように幌(ほろ)を取り付ける。これも手作業で行うことが多く。作業員が手際よく短時間でこなしていた。
興味深い作業なので、列車が連結を行うときは、鉄道ファンは言うに及ばず、親子連れや一般の乗客もホームから身を乗り出さんばかりに注目したものだった。
この記事の筆者:野田隆
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。