
今回、認められる副業と認められない副業、副業をする上で気を付けることなどを、元小中学校教員であり、「All About」子育て・教育ガイド坂田聖一郎が解説します。
(今回の質問)
副業がバレた先生はいますか?
(回答)
私の周りにはいませんが、全国的には副業がバレて懲戒処分を受けた先生もいます。
副業がバレるとどうなる?
教員の副業が制限されている理由は、教員として「職務に専念する義務」があることが、法令によって定められているためです。副業が発覚した場合、法律に基づいて戒告、減給、停職、免職のいずれかの懲戒処分を受けることになります。免職になるケースは稀ですが、処分を受けた教員の多くは自主的に退職しているのが実情です。実際に全国では、不動産投資や料理配送などの副業がバレて懲戒処分を受けたり、退職に至ったりするケースが報告されています。
認められる副業とは?
一方で、教育委員会に申請すれば認められる副業もあります。例えば、本の出版や教育に関連する講演会の開催などです。ポイントは、その副業が教育に関係しているか、教育現場に還元できるかどうか。 副業をする場合は、教育委員会に兼業届を提出し、許可をもらう必要があります。認められれば堂々と副業をして収益を上げられるのです。ただし、前例のない副業は認められにくい傾向にあります。例えば、個々の強みや可能性を引き出すコーチングは、進路相談や人間関係の相談など多岐にわたり子どもたちの成長を後押しできるスキルです。しかし、神奈川県でコーチングが副業として認められた事例があるものの、他の自治体では認められないケースがほとんどです。このように、教育に関連することをいくら伝えても前例のない副業に許可が下りないのは、学校の古い体質を象徴しているのでしょう。
教員が副業をする際の注意点は?
教員が副業を行う場合は、必ず教育委員会に申請して許可を取るようにしなくてはなりません。無許可で副業を続けると、発覚した際に大きく信用を失うばかりか、懲戒処分につながるリスクもあります。一方で、教育現場にプラスとなる活動であれば、比較的認められやすい傾向があります。やりたいことと教育現場との関連性を考えて、丁寧に関連者に説明し、味方作りをすることが効果的。その上で、活動内容をまとめて申請までできれば、副業の許可も下りるかもしれません。
筆者としては、ある地域でコーチング副業が認められたように、前例のない副業でも少しずつ認められるようになれば、子どもたちの視野を広げたり、教員のキャリア選択の幅が広がり、多様な社会を生き抜く教育づくりのきっかけになると考えています。
この記事の筆者:坂田 聖一郎
大学卒業後、芸人を目指し現在「しずる」村上純とコンビ結成するも解散。その後、教員を13年間経験。独立し「株式会社ドラゴン教育革命」を設立。「学校教育にコーチングを」をスローガンのもと、「ままためコーチング塾」をスタート。子育てや家事で忙しいお母さんや教員にも親しみやすい丁寧な指導が好評。
大学卒業後、芸人を目指し現在「しずる」村上純とコンビ結成するも解散。その後、教員を13年間経験。独立し「株式会社ドラゴン教育革命」を設立。「学校教育にコーチングを」をスローガンのもと、「ままためコーチング塾」をスタート。子育てや家事で忙しいお母さんや教員にも親しみやすい丁寧な指導が好評。