炊飯器でごはんが炊けたあと、「すぐほぐす」「待って蒸らす」どちらが正解? 【家電のプロが解説】

炊飯器でごはんを炊いたあと、「すぐに開ける」か「待って蒸らす」か迷ったことがある人もいるのではないでしょうか。正しい方法について、「All About」ガイドで、企業の製品開発のお手伝いやPR支援なども行うコヤマタカヒロが解説します。

炊飯器のごはん、炊けたらすぐほぐすべき? それとも待つ?
炊飯器のごはん、炊けたらすぐほぐすべき? それとも待つ?
炊飯器でごはんを炊いたとき、すぐに開けてほぐすか、少し待って蒸らすか、迷ったことがある人もいるかもしれません。正しい方法はどちらなのでしょうか。

「All About」ガイドで、企業の製品開発のお手伝いやPR支援なども行うコヤマタカヒロが解説します。
 

(今回の質問)
炊飯器は炊けたあと、「すぐほぐす」「待って蒸らす」のだとどちらがよいですか?

(回答)
最新の炊飯器の炊飯プログラムには蒸らし工程が含まれています。炊飯完了のアラームが鳴ったらすぐにふたを開けてごはんをほぐしましょう。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

最新の炊飯器であれば蒸らしの時間は必要ありません

炊飯には「浸水」「加熱」「蒸らし」という3つの重要な工程があります。最後の「蒸らし」工程は、釜内の水分を循環させて、ごはん粒の芯まで熱を通すために必要不可欠なステップです。

昔の古い炊飯器では、内釜の温度変化によって炊飯スイッチのオンオフが行われていたため、炊飯器の加熱スイッチが切れた後もそのままにして蒸らしておく必要がありました。しかし、最新炊飯器のプログラムには蒸らし行程が含まれているので、炊飯が完了したあと、蒸らし時間を取る必要はありません。

実際に大手メーカー5社の炊飯器のマニュアルを確認しましたが、全て「炊き上がり後すぐにごはんをほぐす」と記載されていました。特に、三菱電機のマニュアルには、「すぐに(15分以内)」と記載されています。これは、ほとんどの炊飯器が炊飯が終わると同時に保温が始まるためです。

すぐにほぐさないと何が起きる?

蒸らし工程を含めた炊飯プログラムが終了したら、メーカーが推奨するようにすぐにごはんをほぐしましょう。時間がたってしまうと、表面に残った余分な水分を飛ばすことができないほか、ごはんの一部だけに熱が加わり過ぎて、ごはん粒がつぶれてかたまったり、ベチャついてしまうこともあります。

ごはんをほぐすときはつぶさないように切るように分け、釜底から掘り起こすように上下を返していきます。こうすることで余分な水分を逃がし、ごはんの熱を均等に保つことができるのです。

なお、保温機能のない炊飯器を使っている場合には、蒸らし時間が別途必要なこともあります。使用している炊飯器のマニュアルをチェックしてみるとよいでしょう。

All About ガイドがすすめる炊飯器:東芝「RC-10ZWW」

 

 

この記事の筆者:コヤマ タカヒロ
1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。
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