舞浜駅付近から東京ディズニーリゾート周辺を運行する、ディズニーリゾートライン。外観も装飾が施され、まるでアトラクションの1つのようだが、通勤定期が購入できるといううわさも。
ディズニーリゾートラインについて、「All About」鉄道ガイドの野田隆が解説する。
(今回の質問)
ディズニーリゾートラインの通勤定期が買えるって本当?
(回答)
1カ月:9000円、3カ月:2万5650円、6カ月:4万8600円で販売中である。
アトラクション風だが、れっきとした鉄道路線
ディズニーリゾートラインは、一見東京ディズニーリゾートのアトラクション風ではあるが、れっきとした鉄道(モノレール)。列車ダイヤは時刻表に載っているし、乗車券はSuicaやPASMOを使って支払うことも可能だ。
ディズニーリゾートラインは、舞浜リゾートラインという京成グループの鉄道事業者が運営する鉄道(モノレール)である。ミッキーマウスのシルエットをかたどった窓、車内のミッキーマウス形の吊り輪などを見るとディズニーリゾートのアトラクションの1つと思われるかもしれないが、公道をまたぐ箇所があるので、鉄道事業法に基づく鉄道(モノレール)だ。
運行形態、運転方法は?
単線の環状線で、反時計回りの運行のみ。JR京葉線の舞浜駅近くにあるリゾートゲートウェイ・ステーション駅を起終点とする1周約5kmの路線で、途中駅が3つ、所要時間は約13分だ。正式な鉄道なので列車ダイヤもあり、4~13分間隔で運転している。
混雑時には臨時列車の運行があり、運転間隔は短くなる。先頭車に運転士は乗務せず無人運転だが、車掌は乗務して、ドアの開閉、安全確認、案内などを行っている。
ディズニーシー訪問者、ホテルの利用者が利用
東京ディズニーランドの入場ゲートへは、舞浜駅前からいったん東京ディズニーランドとは反対方向に歩いてリゾートゲートウェイ・ステーション駅に向かい、そこからモノレールに1駅だけ乗る。2分乗って運賃は300円。それだったら歩いた方が便利だし、運賃も不要なので、東京ディズニーランドに行く利用者は多くない。もっぱら東京ディズニーシー訪問者やベイサイド・ステーション近辺にあるホテル利用者が使用する。
ホテルの従業員は定期券を持っているし、ホテルで研修を受ける専門学校生も定期券を購入して通っている。
景色や車両、フリーきっぷも楽しめる!
リゾートのアトラクション的な雰囲気が濃厚ではあるものの、ベイサイド・ステーションから東京ディズニーシー・ステーションまでの区間は車窓から東京湾を望むことができ、つかの間の鉄道旅行を楽しめる。車両は全部で5編成あり、それぞれ外観の塗装が異なる。昼間は2編成のみが稼働していて、あとの車両は車庫で休んでいる。きっぷを購入しないで、SuicaやPASMOなどのICカード乗車券も利用できる。また1日フリーきっぷは大人(中学生以上)700円、子ども(小学生)350円。行きと帰りに2回乗車しただけでは元が取れないが、図柄のバリエーションが多く、ディズニーのキャラクターが描かれているので、ディズニーファンの中には訪問するたびにフリーきっぷを買って集めている人もいるようである。
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。