仲野太賀さん、小池栄子さんが共演するドラマ『新宿野戦病院』(フジテレビ系)。9月4日に放送された第10話のストーリーをおさらいしつつ、SNSで話題のコメントとともに最終回の見どころを紹介します。
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第10話のあらすじ
歌舞伎町のホスト・凌介(戸塚純貴)はアメリカ帰りに、日本人で初めて未知の新種ウイルス・ルミナに感染。“歌舞伎町ウイルス”と呼ばれるようになったこのウイルスは、ECMOを使用しないケースで、熱が下がらないまま5日以上生き延びた報告例がない危険な感染症。日本国内に感染が広がる中、陵介は治療の甲斐なく他界してしまいます。
勝どき医療センターでの研修中に陵介を看取ったヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子)は、2週間の休暇中に歌舞伎町の聖まごころ病院へ凱旋し、ルミナ専用病棟を作ると宣言します。高峰亨(仲野太賀)や横山(岡部たかし)、堀井しのぶ(塚地武雅)ら病院スタッフが自宅に帰らず懸命に患者と向き合う中、院長・高峰啓介(柄本明)の弟で亨の父・啓三(生瀬勝久)のルミナ感染が判明。
一緒に暮らしていた自分を責める亨でしたが、亨自身は抗体を獲得しており無症状。迷惑をかけたと平謝りする亨を見たヨウコは、「人間もウイルスも生き残るために必死なんじゃ。戦争なんじゃ、殺し合いなんじゃ。感染したくらいでいちいち謝るような奴は最初から医者になんてなるな」と叱咤。
ヨウコの言葉に高揚した亨は、その勢いでヨウコにキス。呆気にとられながらも「セクハラじゃ」と返しつつ、亨を鼓舞するヨウコ。亨はルミナ病棟専任として患者たちと父・啓三の治療に力を尽くします。
一方、外国人や路上生活者たちを救済していたことで、NPO法人「Not Alone」はいわゆる“自粛警察”から目をつけられ、活動を制限される憂き目に。新宿エリア代表の南舞(橋本愛)は、憤りとやるせなさを発露。そんな舞に対し、「貧乏人も金持ちも命の危機の前では平等」と語る亨。
その矢先、ようやくECMOの空きが見つかり、啓三の搬送先が決まります。亨が啓三のもとへ急ぐ一方、舞は「だから歌舞伎町は嫌い」とつぶやき、閑散とした歌舞伎町の夜道に消えていくのでした。
脚本家・宮藤官九郎がコロナ騒動をぶった斬る
新型コロナウイルスのまん延に日本中、世界中が未だかつてない状況下で右往左往したあの時期を思い出させるような展開やせりふが満載だった第10話。強制力のあるアメリカのロックダウンと、お願いベースだった日本の緊急事態宣言の差や、マスクをつけることに対する自発的な思考の差など、ヨウコや院長ら医師たちの会話の随所に、コロナ騒動への皮肉ともとれる視点が垣間見られました。
X(旧Twitter)では、「コロナ騒動をバッサバッサ斬ってた。極めつけはステイホームを呼び掛ける日本医師会会長もどきの会見を見て『出たよーステイホーム。日本人は何も学んでないねー』とぼやく柄本明」「コロナ禍をモチーフにして非常にシリアスなのに、薄氷を踏むようにユーモアを入れてくるの、クドカンの意地を感じる」「いや、私もずっと思ってた。どんなコントよりも現実のコロナ対策が一番茶番で面白いよって」「ハードなリスクを描きつつ、それによって起こる差別や日常の憤懣(ふんまん)を描く。クドカンずっとこれ凄く描きたかったんだろうなー」などのコメントが寄せられています。
次回はいよいよ最終話。緊急事態宣言が解除されるも、NPO法人「Not Alone」は解散し舞は消息不明に。亨と歌舞伎町交番の巡査・岡本勇太(濱田岳)も連絡が取れなくなってしまっていました。
そんな中、歌舞伎町のクラブで起こった事故をきっかけにTV出演したヨウコは、その活躍が取り沙汰されるようになる一方、とある週刊誌に狙われ――。歌舞伎町を舞台に社会問題とされるさまざまなテーマが盛り込まれてきた本作、どんなクライマックスを迎えるのか目が離せません。
『新宿野戦病院』あらすじバックナンバー
・第9話
・第8話
・第7話
・第6話
・第5話
・第4話
・第3話
・第2話
・第1話
この記事の筆者:地子給 奈穂
編集・ライター歴17年。マンガ、小説、雑誌等の編集を経てフリーライターに転向後、グルメ、観光、ドラマレビューを中心に取材・執筆の傍ら、飲食企業のWeb戦略コンサルティングも行う。