楽そうだから「事務職」を希望しているのですが、全然受かりません……狙い目の仕事って何ですか?

女性のキャリアについての気になる悩みや疑問に、正社員で長く働きたい女性のための転職サイト『女の転職type』の編集長である小林佳代子が回答。今回は「事務職への転職」について。

楽そうだから事務を希望。でも、ぜんぜん受かりません。狙い目の仕事って何ですか?
楽そうだから事務を希望。でも、全然受かりません。狙い目の仕事って何ですか?
女性のキャリアについての気になる悩みや疑問に、正社員で長く働きたい女性のための転職サイト『女の転職type』の編集長である小林佳代子が回答。今回は「事務職への転職」について。
 

(質問)
楽そうだから事務を希望。でも、全然受かりません。狙い目の仕事って何ですか?

(回答)
事務職は非常に人気が高く、転職難易度が高くなりやすい職種の1つです。また「楽そう」という理由で目指すのは、入社後のギャップに苦しむ可能性も。他職種の検討も含めて知見を広げてみましょう。


詳しくは以下で解説します。

「事務職」の転職難易度は高いと心得よう

「女の転職type」でもずっと人気が高いのが事務職です。人気職種なのでライバルも多数います。

厚生労働省が発表している2024年4月の有効求人倍率(※)でみても、IT技術者は3.12倍、営業職は2.64倍であるのに対し、事務職は0.47倍。つまり事務職を希望している人に対して求人が足りていない状況です。このことからも事務職は人気が高く、転職難易度が高い職種だということが分かると思います。

また「楽そうだから事務職」と考えていると、もし採用になったとしても入社後にギャップに苦しむ可能性があり、注意が必要です。「デスクワークだから体の負担が少なそう」「数字を追うことがないから楽そう」「リモート勤務ができそう」というのが事務職希望者からよく聞かれる理由ですが、本当にそうなのかは企業や事務職の種類によります。

最近では、事務でも簡単なプログラミング知識が必要な場合や、企業の戦略に関するような重要なデータ分析をする場合もあり、事務=楽というわけではありません。特に企業が派遣やアルバイトではなく社員として事務職を採用する場合は、自発的な取組みや責任が求められると心得た方がいいでしょう。

本当に事務希望? 自分の適性やキャリア軸も整理して

先述の通り、事務職は人気職種です。まずは、たくさんのライバルがいるなかで自分が事務職として採用してもらえるようなスキルや経験があるかを整理してみましょう。自分の何を生かし、どのようなやりがいを得て、どんな成果に貢献したいのか。応募書類を分かりやすくまとめ、企業や仕事のことも理解して面接にのぞむなど、基本的な選考準備ができているかを確認することも大切です。

そもそも、本当に事務職がやりたいのでしょうか? 今抱いている希望や不満は、事務職以外の仕事でかなえる方法はないのか、そもそも現職では本当にかなえることができないのかなども改めて考えてみましょう。

単純に世の中の仕事の種類を知らないだけということはありませんか? その場合は、転職サイトなどでどのような職種があるのか調べてみたり、知人に聞いたりして知見を広げてみるのも有効です。

需要が高いのはIT・営業系職種、未経験OKの場合も!

何をもって「狙い目」とするかにもよりますが、やはり市場的に成長しており需要が高いのはIT分野です。

ITサポートやカスタマーサポートなどは事務職としての要素もあり、未経験からチャレンジしやすい職種の1つ。知識やスキルがモノをいう仕事でもあるので、働くなかでしっかりIT系のスキルを身につければ長く働きやすい仕事ともいえるでしょう。またカスタマーサクセスなどコミュニケーションスキルが生かせるIT職種や、AIコンサル、データサイエンティストなどのAI関連のIT職種もニーズが高い傾向にあります。

さらに、どのような企業でも必ず必要となる営業職は、未経験OKの求人が多いためおすすめです。汎用性が高い職種でもあるため、きちんとスキルを身につければどの業界でも重宝されます。

いずれにせよ、「楽したい」という考えの方を採用する企業はありません。少しでも「楽しい」「向いているかも」と思えるような仕事が見つけられるよう、まずは自分の気持ちやキャリアを整理するところから始めてみましょう。
 

この記事の筆者:小林 佳代子
新卒でキャリアデザインセンター入社。転職情報誌および転職サイト『type』『女の転職type』で、1000社以上の求人広告制作に携わる。2018年『女の転職type』編集長に就任。プライベートでは2児の子育て中。

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