ビジネスシーンや日常生活で使用する「結構です」という言葉。実は、1つの言葉にYESとNOの両方の意味が含まれています。ここでは「結構です」の使い分け方や例文、言い換え表現などを解説します。
<目次>
・「結構です」の意味
・「結構です」は敬語表現として正しい
・ビジネスシーンで「結構です」を使うときの注意点
・上司・目上の人に使っても失礼にならない「結構です」の使い方と例文
・「結構です」が柔らかく伝わる言い換え表現
・まとめ
「結構です」の意味
「結構(けっこう)です」という言葉は「肯定」と「否定」の両方の意味で使われます。シーンによって異なるため、前後の文脈にあわせて使用しましょう。以下では2つの使い方を解説します。・肯定する場合
肯定の表現で「結構です」を用いる場合の例文を紹介します。【例文】
相手:「お色は赤でよろしいですか?」
自分:「はい、結構です」
質問に対して「はい、それで良いです」と伝えたい際に「結構です」と言い換えることが可能です。
・否定する場合
否定の表現で「結構です」を使う場合の例文を紹介します。【例文】
相手:「こちらのジャケットも、一緒にご試着いかがでしょうか?」
自分:「結構です」
「不要」「もう十分です」といった否定のニュアンスを伝える際にも「結構です」と言い換えることが可能です。文脈によってはひとことだけでも不要と伝わりますが、より明確に断りたいときは「いいえ、結構です」と「NO」の表現を付け加えましょう。
「結構です」は敬語表現として正しい
「結構です」は、一般的には敬語表現として使用可能だといわれています。しかし、一部では「敬語ではない」と考えている人もいるため、使用の際は注意が必要です。また、クライアントや上司など目上の人に使うのは失礼という意見もあるため、相手との関係性をふまえて使ったほうがよいでしょう。ビジネスシーンで「結構です」を使うときの注意点
ビジネスシーンで「結構です」を用いる場合の3つの注意点を解説します。・肯定か否定かはっきりする
「結構です」には、肯定と否定の両方の意味があるため、相手が混乱しないような文脈で使用することが肝心です。「はい、結構です」「いいえ、結構です」と、最初にYESかNOどちらであるのかはっきり伝えるとよいでしょう。・冷たい印象を与えることがある
否定表現で「結構です」を用いると、冷たい印象を与えるおそれがあります。「せっかくですが、結構です」といった形でワンクッション入れると、やさしい印象になるでしょう。・目上の人を相手に使うときは気を付ける
「結構です」は、きっぱり迷いなく断る際に用いられることが多くあります。目上の人に何かを勧められた際は、もし不要であったとしても、できるだけ丁寧に断ったほうがよいでしょう。「申し訳ないのですが、今は結構です」といった形でお礼や謝罪とあわせて使うとよいでしょう。上司・目上の人に使っても失礼にならない「結構です」の使い方と例文
ここでは、目上の人に「結構です」を使う際の例文を紹介します。・肯定する場合
以下は、肯定表現で「結構です」を使用する際の例文です。【例文】
「どうぞ、外履きのままご入室いただいて結構です」
「着席されたままで結構ですので、こちらご覧ください」
こちらの例文では「そのままで良いですよ」という意味合いを「結構です」で表現しています。
・否定する場合
以下が、否定表現で「結構です」を使用する際の例文です。【例文】
「事前の連絡は結構ですので、直接いらしてください」
「お忙しいと思いますので、お返事は結構です」
「なくて大丈夫ですよ」といったニュアンスを丁寧に伝える際に「結構です」に言い換えられます。
「結構です」が柔らかく伝わる言い換え表現
「結構です」と似たニュアンスの言葉で、より柔らかい表現になる言葉を紹介します。・肯定する場合
肯定表現の言い換えには、以下の言葉が使えます。「差し支えございません」
「差し障りございません」
「構いません」
「問題ございません」
「大丈夫」「OKです」といったニュアンスを表現したい際に、これらの言葉を使うことが可能です。
・否定する場合
物事を断る際に使える、柔らかい表現の言葉を紹介します。「遠慮させていただきます」
「今はもう十分です」
「ご辞退申し上げます」
「NO」の表現をする際は、申し出に対して感謝と謝罪をあわせて伝えると、より丁寧です。