横浜・そごう美術館で「さくらももこ展」始まる! クスッ、ホロリのさくらワールドの魅力が一堂に

横浜・そごう美術館で「さくらももこ展」が2023年4月22日にスタート。初日から行列するほどの人気を博しています。代表作『ちびまる子ちゃん』の記念すべき第1話の直筆原稿をはじめ、カラー原画や愛用品など約300点が一堂に展示されています。5月28日まで。

そごう美術館 入口「さくらももこ展」フォトスポット (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
そごう美術館 入口「さくらももこ展」フォトスポット (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション

『ちびまる子ちゃん』『COJI-COJI』『もものかんづめ』などの人気作で知られるまんが家・さくらももこさんの展覧会「さくらももこ展」が2023年4月22日から5月28日まで横浜のそごう美術館で開催されます。4月21日の内覧会に参加してきましたので、その様子をレポートします(画像は筆者撮影、一部提供)。

さくらももこさんについて

序章 さくらももこができるまで 展示風景 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
序章「さくらももこができるまで」展示風景 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション

1965年5月8日静岡県に生まれ、1984年『教えてやるんだありがたく思え!』でデビューし、1986年に少女まんが誌『りぼん』(集英社)で『ちびまる子ちゃん』の連載を開始。89年に同作品で第13回講談社漫画賞を受賞します。

1990年には作詞した『おどるポンポコリン』(BMGビクター、現ソニー・ミュージックレーベルズ)が日本レコード大賞ポップス・ロック部門受賞。

1991年に出版した初エッセイ『もものかんづめ』(集英社)はベストセラーになりました。『スヌーピーブックス』シリーズ(集英社)では翻訳を手がけるなど幅広く活躍。2018年8月に永眠されました。

総数約300点の貴重な原画・直筆原稿を展示

第1章「ももことちびまる子ちゃん」展示風景。少女漫画誌『りぼん』のふろくがずらりと(C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
第1章「ももことちびまる子ちゃん」展示風景。少女まんが誌『りぼん』のふろくがずらりと (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション

この展覧会では、まんが家、エッセイスト、作詞家、脚本家といくつもの顔を持ち、新しいキャラクターやエッセイを次々と世に送り出し続けた稀代のアーティスト、さくらももこさんのいまなお輝き続ける、その全仕事に迫ります。

会場には約300点のカラー原画や直筆原稿が一堂に展示され、“描く”ことと“書く”ことを楽しみつくし、多忙を極める一方、季節のうつろいや小さな日常をこよなく愛したさくらももこさんの世界に触れることができます。

序章から終章までの見どころを紹介

第1章「ももことちびまる子ちゃん」展示風景 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
第1章「ももことちびまる子ちゃん」展示風景。 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション

展覧会は、序章から終章までの複数コーナーで構成されています。

序章「さくらももこができるまで」では、まんが家デビューまでの時間を、少女時代の私物や当時の情景を描いたイラストと共に辿っていきます。

デビュー作『教えてやるんだありがたく思え!』の原画では、さくらももこさんの原点である「エッセイまんが」のおもしろさがギュッとつまっています。

第1章「ももことちびまる子ちゃん」は、代表作『ちびまる子ちゃん』の魅力に迫ります。同作は1986年に少女まんが誌『りぼん』で連載を開始以来、コミックスはもちろん、TVアニメや映画化、全国新聞11紙での4コマ連載など、その世界は大きく広がり、社会現象ともいわれる国民的まんがへと成長しました。

第1章「ももことちびまる子ちゃん」展示風景。ところどころ作品が大きなタペストリーとなっています (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
第1章「ももことちびまる子ちゃん」展示風景。ところどころ作品が大きなタペストリーとなっています。カラー原画の美しさ、繊細さは多彩な絵具・道具で生み出されていることがよく分かります (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション

ぐうたらでお調子者だけど優しい主人公・まる子が、家族やクラスメートなどゆかいな仲間と過ごす懐かしい昭和の日常を描いた原画の数々が展示されています。

それぞれのキャラクターを紹介するかのような展示になっており、『ちびまる子ちゃん』ドンピシャ世代の筆者にとっては、記憶に残る懐かしいエピソードばかりでした。

全国新聞11紙で掲載された「4コマちびまる子ちゃん」 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
全国新聞11紙で掲載された「4コマちびまる子ちゃん」 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション

さくらももこさんは文章を書くことはなぜか苦にならず、高校3年のときに書いた作文が「現代の清少納言」と称されたことからエッセイまんがを描くことを思いついたそうです。

その才能は1991年発刊の『もものかんづめ』で開花。第2章「ももこのエッセイ」では、数々のヒット作を生み出した軌跡を振り返ることができます。

第2章「ももこのエッセイ」展示風景。『もものかんづめ』の表紙絵とそこに描かれている本物の桃缶 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
第2章「ももこのエッセイ」展示風景。『もものかんづめ』の表紙絵とそこに描かれている本物の桃缶 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
第2章「ももこのエッセイ」展示風景。巨大な原稿用紙や漫画のページが展示されており、こちらは撮影OKのコーナーとなっています (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
第2章「ももこのエッセイ」展示風景。巨大な原稿用紙や漫画のページが展示されており、こちらは撮影OKのコーナーとなっています (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション

1994年に男児を出産したさくらももこさん。変わらず仕事に追われつつも、子どもと過ごす時間を大切にしたいという思いを抱えていた日々が、絵本や絵日記など新しい創作へとつながっていきました。

第3章「ももこのまいにち」では息子さんとのこと、清水のこと、民芸のことなど、さくらももこさんが大切にした日常を探ります。

バッジづくりにハマっていた頃のバッジの数々 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
さくらももこさんがバッジづくりにハマっていたころに作った、バッジの数々 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション

息子さんが小さいころは、自分が「さくらももこ」であることを隠していたそうで、疑いをそらすため、さくらももこ先生宛に手紙を書かせるエピソードは、クスッと、ホロリとしてしまいます。

第4章「ももこのナンセンス・ワールド」展示風景  (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
第4章「ももこのナンセンス・ワールド」展示風景  ​​(C)さくらももこ (C)さくらプロダクション

第4章「ももこのナンセンス・ワールド」では、異色の作品『神のちから』と『神のちからっ子新聞』(共に小学館)が紹介されています。同作は『ちびまる子ちゃん』や『COJI-COJI』の根底に流れる、どこか冷めた世界観を知る上で、1つの鍵になるでしょう。読み手を混乱のるつぼに突き落とすような、あやしい魔力を感じてください。

第4章「ももこのナンセンス・ワールド」 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
第4章「ももこのナンセンス・ワールド」展示風景  (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション

“ナンセンス”なストーリーということでフレームが段ボールだったり、わざと傾けてかけてあったり、その世界観を展示でも表現しています。

第5章「ももことコジコジ」展示風景 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
第5章「ももことコジコジ」展示風景 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション

ふとした落書きから誕生した、正体不明の宇宙の子、コジコジ。第5章「ももことコジコジ」では、赤ちゃんのようにかわいいコジコジが発する濁りのない言葉の数々が、時代を超えて今、私たちの心を照らしてくれます。

第5章「ももことコジコジ」展示風景 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
第5章「ももことコジコジ」展示風景 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション

終章「アトリエより」では、まる子とコジコジの冒険を描いた『まるコジ』の名場面と、ひとつひとつ丁寧に描かれた小さなイラストたちが展示を締めくくります。

終章「アトリエより」展示風景。「さくらももこの仕事部屋より」 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
終章「アトリエより」展示風景。「さくらももこの仕事部屋より」 (C)さくらももこ (C)さくらプロダクション
10階レストラン「イー・エー・グラン」では同展とのコラボメニューを会期終了まで販売。コジコジのフルーツケーキ(税込2401円、各日限定30個)
10階レストラン「イー・エー・グラン」では同展とのコラボメニューを会期終了まで販売。コジコジのフルーツケーキ(税込2401円、各日限定30個)

さくらももこ展 概要

期間:2023年4月22日~5月28日
会場:そごう美術館(そごう横浜店6階)
時間:10:00~20:00(最終入場:19:30)
料金(税込):一般1400(1200)円、大学・高校生1200(1000)円、中学生以下無料
※( )内は、前売および以下のカード(クラブ・オン/ミレニアムカード、クラブ・オン/ミレニアムアプリ)を提示の方の料金
※障がい者手帳各種を持参の本人、および同伴者1名は無料
URL:https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/



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