All About編集部は「中学校の国語の教科書に載っていた作品」に関する独自調査を実施しました。同調査は、全国の10〜70代の男女500人を対象にインターネット上で行ったものです(調査期間:2023年2月27~3月11日)。今回は「国語の授業や教科書がきっかけで好きになった作家」ランキングを紹介します。
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第3位:宮沢賢治(78票)
第3位は、宮沢賢治。詩人、童話作家、教師、科学者、宗教家など多方面で活動しながら、自然や農業にも造詣が深かった岩手県出身の作家です。37歳の若さでこの世を去った、薄命の作家としても知られています。回答者からは「教科書に載っていた宮沢賢治の『雨ニモ負ケズ』の詩が気に入り、それをきっかけに宮沢賢治の作品を読むようになった(41歳女性)」「『銀河鉄道の夜』を読んでファンになりました(34歳男性)」など、教科書や授業をきっかけに宮沢賢治の作品に興味を持ったというコメントがありました。
また「宮沢賢治の作品は少し空想的な表現をしていることが多く、読んでいて優しい気持ちになれる作品が多いから(38歳女性)」「宮沢賢治は簡単でわかりやすい文で読みやすく、話の世界観に浸れる感じが好きです(36歳女性)」など、独特な世界観のとりことなった人が多いようです。
第2位:夏目漱石(86票)
第2位は、夏目漱石でした。多くの作品が教科書に掲載されており、中でも『こころ』『夢十夜』などは定番教材として長く不動の地位を築いています。回答者からは「教科書の『こころ』は一部抜粋だったので、単行本を買って読みました(45歳女性)」といった、教科書に掲載された作品の続きが気になって本を手に取ったというコメントが寄せられました。
中には「『こころ』の印象が強い作者だったが、『夢十夜』を教科書で読んで表現とテイストの幅の広さに感動したから。思想や展開にくせがないから、作品ごとに先を考えず純粋に楽しめる(27歳男性)」「『吾輩は猫である』のような滑稽な物語もあれば『こころ』のような人の心情を深く描き、考えさせられるような作品の幅が広く感じたので(41歳女性)」など、幅広い作風に興味を持ったという意見も見受けられます。
第1位:芥川龍之介(126票)
第1位は、日本を代表する文豪・芥川龍之介でした。35年で幕を閉じた人生の中で、300を超える作品を執筆したとされています。優秀な純文学作品に与えられる「芥川賞」に名を冠されるなど後世に与えた影響は大きく、現代でも授業や教科書に取り上げられることの多い作家です。回答者からは「文章の切れ味の良さにしびれました。その後、河童などの短編小説を読みましたが、現代にも通じる斬新な作品でした(49歳女性)」「芥川龍之介の作品はどれも読み始めると最後までのめり込んでいられる感覚で、楽しかったから。教科書に載っている作品以外にも沢山読みました(23歳女性)」「明るい部分ではなく、みんなが嫌がる闇の部分まで書いている芥川さんの作品が大好きです(19歳男性)」など、人間の闇が垣間見える作風に評価が寄せられました。
さらに「読みやすい作品が多く、また芥川龍之介自体が人間味があって惹かれるから(33歳女性)」「芥川龍之介の人生自体に興味を持てた(32歳男性)」など、芥川龍之介の人生そのものに興味を持ったという声も。ドラマや映画の題材にされるほどの波乱万丈な人生に、心を動かされた人も多いのかもしれません。
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※回答者のコメントは原文ママです
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