猫も人間と一緒で、高齢になればなるほど、体調が不安定になり、病院のお世話になることが増えます。
しかし、猫にとっては迷惑なことのようで、飼い主が通院の支度をしていると、それを察知して押し入れなどに隠れてしまうこともしばしば起こります。
30年間猫と暮らし、老猫(高齢猫)の世話について情報発信している筆者が、通院が苦手という老猫にストレスをかけず通院する方法を紹介します。
予約制の病院を利用する
動物病院が混み合っていて、長時間待たされたということはありませんか? 混んでいること自体は仕方がないことかもしれませんが、待ち時間が長く、知らない人や動物がたくさんいる環境は、老猫にとってストレスになることがあります。
また、飼い主にとっても仕事や家事の合間に動物病院へ行き、待ち時間が長いと、ついイライラしてしまうこともあるかもしれません。そんな様子に老猫は敏感なもの。さらにソワソワ落ち着かなくなってしまうこともあるでしょう。
そうならないために、予約制の動物病院を利用するとよいでしょう。予約制であれば、待合室にいるのは数人程度で静かです。老猫もゆったりでき、大きなストレスを与えずにすむでしょう。
動物病院の移動時間は片道30分以内を目安に
老猫になると、場合によっては、病気治療のため週に2~3回というペースで通院することもあります。その際の移動は、自動車や電車で、ということが多いのではないでしょうか。
猫によっては、乗り物の振動や、外部からのさまざまな音が刺激になり、緊張で体が固くなったり、嘔吐したりすることもあります。
電車などを利用する場合は、持っているキャリーケースが大きく揺れないようゆっくり移動するとよいでしょう。自動車での移動の場合は、シートベルトなどでしっかり固定しておくと安心です。
気温差が激しいのもストレスになるため、その日の気温に応じて保冷剤や湯たんぽなどを活用するのもよいでしょう。ただし、小型の保冷剤の場合はくれぐれも誤飲に注意してください。
老猫にとって、移動時間が長いことはストレスになります。なるべく、通院にかける移動時間は片道30分以内にするようにしましょう。
キャリーケースはプラスチック製の物を選ぶ
老猫は、通院中に嘔吐したり、粗相をすることもあります。通院のとき老猫を入れるキャリーケースは、ゆったりリラックスできる大きさで、素材は布製より汚れてもスグに洗えるプラスチック製の物を選んであげましょう。
獣医師の診察を受けるときは、猫が嫌がってなかなか出てこないことがあります。老猫を無理に引っ張り出すと、怖がってますますストレスになるため、キャリーの上部が、大きく開くタイプのものを選ぶようにしましょう。
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