新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)は2024年に迎える30周年に向けて、7月1日から「あの銘店をもう一度」プロジェクトをスタート。過去に出店したことのある約40店舗の銘店が2年間かけ3週間のリレー形式でラー博に出店する、ラー博史上最大のプロジェクトです。第1~3弾の出店店舗が6月17日に発表されました(画像はすべて提供、一部筆者撮影)。
「あの銘店をもう一度」プロジェクトについて
新横浜ラーメン博物館がオープンしたのは1994年3月6日。「全国各地のラーメンを飛行機に乗らずに食べに行ける」をコンセプトとして開業しました。
これまでにラー博に出店したのは50店舗。札幌味噌ラーメンに革命を起こした札幌「すみれ」、ご当地ラーメンブームの火付け役となった和歌山「井出商店」、国産小麦の自家製麺、厳選素材の基盤を作ったパイオニア「支那そばや」など、ラーメン業界に多大な影響を与え、ラーメン史に名を残す、そうそうたる顔ぶれが名を連ねます。
2年後の2024年に30周年を迎えるにあたり、ラー博がここまで続けてこられた理由は、歴代ラーメン店の魅力にあると改めて感じ、「お客さまにいま一度、その魅力と価値をご紹介したい、各店のラーメンをもう一度この場所で味わっていただきたい」と考えたところから、「あの銘店をもう一度」の構想がスタート。
約40店舗の歴代ラーメン店が2年間かけ3週間のリレー形式でラー博に出店する、ラー博史上最大のプロジェクトがいよいよ7月1日から始動します。
オープニングを飾るのは和歌山「井出商店」
7月1~21日までの第1弾として、和歌山「井出商店」が出店します。実は井出商店は、ラー博で数々の記録をたたき出している、文字通りラー博史に残る伝説のラーメン店なのです。
井出商店は、1998年10月1日にラー博にオープン。今でこそ和歌山ラーメンは知られている存在ですが、当時は各地域にご当地ラーメンがあるということすらあまり知られておらず、和歌山のイメージは「みかん」や「梅干し」くらいでラーメンを連想する人は皆無だったそうです。
しかし、オープン初日から大行列! 最大待ち時間は210分。1日平均杯数は893杯。期間終了までの238日間、一度も列が切れることがない大ブレークを果たしたのでした。「連続行列日数、最大待ち時間、1日平均杯数」の記録は、今もなお破られていません。
ラー博でのブレークを機に、和歌山の本店にもメディアが殺到するなど、和歌山ラーメンブームが巻き起こりました。そしてこの和歌山ラーメンブームをきっかけとして、その後の「ご当地ラーメン」ブームへと繋がっていきました。
「井出商店」が提供する和歌山ラーメンとは?
1953年創業の井出商店。とろりとした豚骨しょう油スープが特徴です。麺はストレートの細麺。具材はカマボコにチャーシュー、メンマ、青ネギとシンプルです。
和歌山ラーメンのもう1つの特徴が、ラーメンとともに「早寿司」「巻きずし」「ゆでたまご」を食べる習慣があること。井出商店では、鯖の押し寿司「早寿司」を提供しています。今回の出店でももちろん毎日販売(数量限定)されるとのことです。
出店期間内は1階ギャラリーで、より一層ラーメン店の理解が深められる特設展示を同時開催するので、こちらも楽しみです。
第2弾は福島県会津若松「牛乳屋食堂」、第三弾は埼玉川越「頑者(がんじゃ)」の出店も決定。3週間に一度、ラー博に通うことになりそうです。
「あの銘店をもう一度」情報
期間:2022年7月1日~約2年間(各店舗約3週間)
期間中出店数:約40店舗(現店舗除く)
第一弾:和歌山「井出商店」7月1日~21日
第二弾:福島「牛乳屋食堂」7月22日~8月11日
第三弾:埼玉「頑者」8月12日~9月1日
URL:https://www.raumen.co.jp/
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