フットマークは11月8日、小学生の「ランドセルの重さに関する意識調査」結果を公表しました。同調査は、通学にランドセルを利用している小学1~3年生とその保護者1200名を対象に実施。3人に1人の小学生が通学時の憂鬱(ゆううつ)感や肩の痛みなどの影響が出るほど、「ランドセルが重い」と感じていることが分かりました。
ランドセルの重さは平均3.97kg!
ランドセルの重さが5kg以上の小学生は約4割以上を占め、平均は3.97kg。中には10kg以上のランドセルを背負っている子どもも。
「わが子がランドセルを重いと感じている」と回答した90.5%の保護者のうち、2.7人に1人が「重い荷物を背負うことが億劫で、子どもが登校を嫌がった経験がある」と回答。さらに3.1人に1人が「通学時に肩や腰・背中など身体の痛みを訴えたことがある」と回答しています。
肩凝り、腰痛、通学時の憂鬱(ゆううつ)……「ランドセル症候群」
ランドセルの重さと児童への影響を研究している、白土健先生(大正大学教授)と高野勇人医師(たかの整形外科院長)。筋肉痛や肩凝り、腰痛などの身体異常、通学を憂鬱(ゆううつ)に感じるなど、ランドセルの重さが心身に影響している状態を「ランドセル症候群」と名付けています。
商品開発が進み、ランドセルそのものは昔より軽くなっている印象がありますが、「重いランドセル」は、その中身に原因があるよう。学習指導要領の改定などにより教科書のページは増加を続け、小学1~6年生の全教科分教科書の総ページ数の平均は、平成17年では4857ページだったのに対し、令和2年度では8520ページと1.7倍に増加しています。
さらに、調査では、学校に教科書を置いて帰る「置き勉」が禁止されている小学生は46.8%。副教材や体操服などを入れたサブバッグを持って登校することがある、と回答した小学生は92.0%に上り、加えてICT教育の推進により、ここに電子端末が加わることも。過酷な小学生の登下校の現状がうかがえます。
小学1~3年生という、まだ身体も小さい子どもたち。登下校の安全の見直しも検討される中、1人1人の負担を考え、1日の始まりである登校を笑顔に変える工夫も必要なようです。
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