厚生労働省は、4月7日の時点で新型コロナウイルスの影響で解雇・雇い止めされた人が、見込み人数を含めて10万425人となったことを明らかにしました。2020年2月の集計開始から、約1年2カ月で10万人を超えたことになります。
コムヨビ(株式会社NEXER)が3月29日に発表した「新型コロナウイルスと子どもの将来の就職に関する調査」からは、子どもの就職に不安があるという親の意見が多数聞かれました。同調査は2021年2月22~28日の期間、就職経験のない子どもがいる全国の男女、計515名を対象にインターネットにより実施されたものです。
新型コロナの影響で、子どもの就職に不安がある親は半数超え
新型コロナの影響を受けて、子どもの就職に不安が「すごくある」と回答した人は148人、「少しある」が194人で、合計すると全体の約66%が新型コロナの影響で子どもの就職に対して不安を抱いています。その反面、173人は「全くない」「あまりない」と回答しています。
親が選んだ職業1位は「公務員」、2~4位は医療職
新型コロナの影響を受けて、子どもの就職に「不安がある」と答えた342人の男女が選んだ、子どもになってほしい職業の第1位は「公務員」(185票)。圧倒的な人気で、全体の約54%を占めました。
「景気に大きく左右されないし、福利厚生もしっかりしてそう」「定年まで働けそう」「一番安定していると思う」「労働時間などの環境整備がきちんとしており、身分も安定している」など、コロナ情勢で経済が不安定な中、公務員の安定性が選ばれる大きな理由のようです。
第2位の「医師」(30票)は、全体の約9%。「技術を身につけているので、将来職には困らない」「人の役に立つ仕事で、どんな状況でも必要な仕事」「安定して高収入が期待できる」という理由のほか、「今回の不況を目の当たりにし、有事に影響を受ける事なく常に収入源を確保できる仕事につくことが重要だと感じた」という声もあるように、「どんな状況下でも」必要とされる仕事であることが選ばれた理由でした。
第3位の「薬剤師」(25票)、第4位の「看護師」(23票)は、「安定していて絶対に必要な職業」「医療職は景気に左右されにくい」「資格を持っているのでどこに行っても働ける」「不況でも資格があれば安心」などの理由が挙げられました。
2~4位と医療職が続きました。コロナ禍では、第一線に立ち、危険を伴う過酷な職業であることが毎日のようにクローズアップされています。医療従事者への畏敬の念とともに、どんな状況下でも必要とされる職業であることが選ばれた一番の理由のようです。
第5位は「プロスポーツ選手」(10票)。「夢に向かって突き進んで欲しい」「夢を与えてくれる」「才能をそのまま職業にできる」という理由が挙げられました。
コロナ禍でも子どもの就職に「不安がない」理由は?
一方、子どもの就職に「不安がない」と回答した人の理由は、「コロナで不振の業界もあれば、好調の業界もある。子どもが就職するタイミングで求められる職種はあるはず」「コロナ以外にもいろいろな障害や困難が今後も必ずあるはず。コロナ単一で心配しても意味がない」などが挙げられ、コロナ禍であることに悲観しすぎない姿勢も見られました。
ほかには、「本人がやりたいことを見つけさえすれば、就きたい仕事につけると思う」「本人の努力次第で将来・未来は変わると思っている」という声も。
日常に大きな変化をもたらした新型コロナの感染拡大。不安定な経済状況の中で、「安定した職業に就いてほしい」という親心、また、「どんな世情であれ、持てる力を存分に発揮して生きていって欲しい事に変わりはない」など、どんな困難に直面しても未来を切り開いていける力を持つことを願う親心が見られました。
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