人間関係、職場環境、仕事内容に疲れて「転職したい」と思っても、仕事を辞めて転職すれば収入面が不安だし、働きながらだと時間がない……。転職活動は「働きながら」と「辞めてから」、実際にはどちらがいいのでしょうか?
ビズヒッツが転職経験のある男女500人を対象に行った「転職活動に関する意識調査」の結果からは、働きながら/辞めてから転職活動をした人のそれぞれの理由やメリット・デメリットが見えてきました。同調査は2021年2月1~2日の期間、インターネットで実施したものです。
「働きながら転職活動」がおすすめな理由1位は「金銭面の安心感」
転職活動を経験した500人のうち、働きながら転職活動をした人は51.4%、辞めてから転職活動をした人は48.6%。ほぼ半々という結果でした。
経験を踏まえたうえで「働きながら転職活動したほうがいい」と答えた人は74.2%、「辞めてから転職活動したほうがいい」(25.8%)に大きく差をつけました。
「働きながら転職活動したほうがいい」と回答した371人の理由は、「金銭面の安心感がある」が圧倒的に多く1位でした。「失業手当は出るが、やはり収入が大幅に減ってしまう」(20代女性)、「退職後約1年、仕事が見つからず、貯金も減ってかなり追い詰められた」(30代男性)などの回答があるように、すぐに転職できるとは限らず、転職活動が長引けば生活は苦しくなってしまう場合も考えられます。
「完全に収入がなくなった状態だと気持ち的にも余裕がなくなって、冷静に判断することができなくなる」(40代女性)という声もあるように、金銭面の不安は、2位の「精神的な余裕をもてる」にも直結しているようです。「仕事をしていない状態で転職活動すると気ばかりが焦り、良い就職先を見抜けない」(20代男性)、「焦って妥協してしまい、後悔している」という回答も多く見られました。
4位の「転職失敗時のリスクを回避できる」には、「社会情勢により環境が激変することもあり、転職活動を一旦ストップする選択肢を残しておいた方がいいと思う」(40代男性)という回答もありました。転職活動中、新型コロナの影響や経済の急激な悪化など、予想できない事態への対応が求められることもあります。そんな場合、仕事を続けていれば転職活動の一時的な中断にも対応できるということなのでしょう。
「辞めてから転職活動」がおすすめな理由1位は「十分な時間」
「辞めてから転職活動した方がいい」と答えた129人のダントツ1位の理由は、「転職活動に十分な時間を割ける」でした。「スキルアップの為の時間が必要だった」(30代男性)、「自分の時間をしっかり持って、じっくり検討して納得いく転職活動ができた」(40代男性)など、面接の日程を組みやすいという理由だけでなく、スキルアップなどの準備や情報収集、じっくり検討する時間の余裕がメリットであるようです。
「働きながら転職」「辞めてから転職」のどちらも経験した人からは「辞めてからの方が時間をもてるので、やりたかったことと向き合えて、次の転職の行く先もしっかりしたものになる」との回答もありました。
2位の「採用されたらすぐ働ける」は、「採用側からの「できるだけ早く勤務開始を」という希望に、すぐに対応できたことは大きかった」(50代女性)、「いつ頃辞められるのか?確実に辞められるのか?」を擦り合わせていくのが大変」(20代女性)など、退社日と入社日の調整に気を遣わなくていいことや、「急募」への対応が可能というメリットが挙げられました。
4位の「失業手当がもらえる」は、「働きながら転職活動したほうがいい」と答えた人の中にも、「貯蓄があったり、失業手当などがちゃんと出るなら、退職してから転職活動したほうがいいと思う」と答えた人も多数いました。
転職活動の方法は「転職サイト」が1位、「ハローワーク」が2位
転職活動の方法で最も多かったのは「転職サイト」、わずかな差で2位が「ハローワーク」でした。
「働きながら転職活動した人」と「辞めてから転職活動した人」に分けると、「辞めてから」の人は、失業保険をもらいながら仕事を探せる「ハローワーク」が1位。「働きながら」の人は、1位が「転職サイト」、3位に求人検索や面接の日程調整などを代行してくれる「転職エージェント」が入るなど、時間がない転職活動をスムーズに進められる方法が選ばれているようです。
「働きながら」も「辞めてから」もそれぞれにメリット・デメリットがありました。自分の経済状況やどんな準備が必要かを一度ゆっくり考えて、希望が叶う転職活動を進めていきたいですね。
【おすすめ記事】
・夫が転職して困ったこと圧倒的1位は「収入の減少」、2位は?
【関連リンク】