Twitterで、現役高専生と思われるユーザーが「【呪術廻戦の二次創作をされている方々へ】」と訴えているツイートが話題になっています。
週刊少年ジャンプの人気漫画『呪術廻戦』(じゅじゅつかいせん)の二次創作をする人たちがTwitterで「高専」の単語を入れてツイートをしていることで、Twitterで「高専」を入れて検索すると『呪術廻戦』の二次創作関連の話題が上位表示されてしまい、本来実在するほうの「高専」の情報を得たいと思って検索した人が、高専の情報にたどり着きにくい、というものです。
投稿者は「高専は全国に57校設置されている実在の学校です。私達高専生は特殊な学校形態故に関わりを持つことが難しい為、主にTwitterを通して他高専生と交流しています。しかし現在、高専という単語が二次創作作品のツイートに散見され(以下略)」として、「二次創作作品をツイートする際は有効な検索避けを行う若しくは高専という単語の使用をお控え頂けるようお願い申し上げます。」と訴えています。
なぜ『呪術廻戦』の関連ツイートで「高専」が使われるのか
なぜ、『呪術廻戦』の作品と関連するツイートで「高専」のワードが使われるのでしょうか。調べたところ、作中で呪術廻戦の主人公が「東京都立呪術高等専門学校」に在籍していることから、高等専門学校=高専、と略されて使われているようです。
高専とは
もともと「高専(高等専門学校)」とは、話題となっているツイート主が紹介しているように、全国に国公私立合わせて57校設置されている実在の学校です。文部科学省のページでは、「高等専門学校(高専)は実践的・創造的技術者を養成することを目的とした高等教育機関」と紹介されています。
中学卒業後に入学し、いわゆる高校の3年間+2年間の計5年間通う学校で、5年間の実践的な教育を通じて、技術者に必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることを特徴としています。2023年4月には、約20年ぶりに新設される「神山まるごと高専」が開校予定です。
本来の「高専」について検索したい人はどうすればよいか
では、今回のように実在する「高専」とは関係のない情報(『呪術廻戦』の二次創作)が上位表示されてしまう問題を解決するには、どうしたら良いのでしょうか。現状では、2つの方法が考えられます。
・『呪術廻戦』に関連するキーワードや画像を除外して検索する
1つ目の方法は、Twitterで「除外検索・マイナス検索」をして、「高専」と『呪術廻戦』に関連するキーワードを一緒に入れた投稿や、画像が入っている投稿を表示しないようにすることです。
例えば「高専 -"呪術"」で検索すると、「高専」の検索結果の中から「呪術」のキーワードが入ったものを除いた投稿だけが表示されます。
「高専 -filter:links」で検索すると、「高専」の検索結果の中から画像が含まれるものを除いた投稿だけが表示されます。『呪術廻戦』の二次創作に関する投稿はほとんどが画像入り投稿なので、これで非表示になります。
ただ、この方法では現状、『呪術廻戦』の二次創作を投稿している人に中には、あえて検索に引っかからないように『呪術廻戦』のキーワードを抜いた「高専」で投稿している人もいて、すべての投稿を防ぐことはできない状況です。
・「高専」のほかに調べたい目的に合わせたキーワードを入れる
もう一つは、調べる側の検索目的に応じて、入れる検索ワードを増やす方法です。例えば特定の高専について調べたい場合には「◯◯(神山など) 高専」、編入学の情報について調べたい場合には「高専 編入」などです。
話題のツイート主が紹介していたように現役高専生同士が交流することを目的としている場合や、ざっくり「高専」について調べたい場合には適さないかもしれませんが、これから高専を受験しようと思っている学生や、高専とはどんな学校かを知りたい人は、「高専」以外に最低でももう1つ、検索ワードを入れると良さそうです。
このほか、今回のように二次創作に関する投稿を避けたい場合には、Twitterのセンシティブ設定をオンにしておくだけでも、検索結果からある程度は除外できるかもしれません。
「高専」関係者、『呪術廻戦』二次創作ファン、双方の主張
今回は現役高専生の投稿をもとに紹介しましたが、Twitterを見ると実在する高専を知らない『呪術廻戦』ファンの中には、逆に「『呪術廻戦』の二次創作関連を見たいのに、関係ない高専のツイートが紛れ込んでいる」と主張している人もいるようです。
Twitterは誰でも自由に参加でき、投稿できるSNSです。ただ、若者が検索ツールとしてSNSをよく利用している以上、これから高専を受験しようと思っている学生が本来得たいと思う情報が検索結果に表示されてほしい、という意見もあり、元高専生である筆者もそれに同意します。
高専は全国に57校設置されていると紹介しましたが、47都道府県すべてにあるわけではありません。筆者のように高専がない県から高専を受験する場合には中学校はおろか近隣の塾にも高専の情報がほどんどなく、インターネット検索やSNSから得られる情報は現役高専生や卒業生の声が分かる貴重な場となっていました。
本来の高専に関する情報を得たいと思っている人が、その情報にたどり着けるよう、双方が工夫をして少しでも解決に向かうことを願います。