日本で急激に話題となっている音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」ですが、サービスが開発・リリースされた米国ではどのような盛り上がりを見せているのでしょうか。
Amobee Japanが2月16日に発表したClubhouseに関する米国市場のトレンド分析結果によると、米国でClubhouseに注目が集まったのは2020年12月から。当初はClubhouseへの懐疑的な意見もありましたが、半年ほどでTwitterがライバル視する存在に。主な関心層は35~44歳の年収1000万円以上の人々、とのことです。
以下、Amobeeの独自AIを用いたマーケティングソリューション「Amobee Brand Intelligence」の分析結果から見えた、米国市場におけるClubhouseのトレンドの分析結果を紹介します。
米国でClubhouseに急激に注目が集まったのは2020年12月から
Clubhouseは元Google社員のポール・ダヴィソン氏とローハン・セス氏が創業、2020年4月にサービスを開始した音声系SNSです。下図のグラフによると、Clubhouseへの関心は2020年12月頃をピークとし、そこから関心が高い傾向が続いています。
2020年12月頃にClubhouse上でラッパーのルーペ・フィアスコ氏が自身の楽曲を披露したり、ライオンキングの俳優陣がパフォーマンスを実施したりすることで、新しいエンターテインメントとの接触機会が生まれ、Clubhouseへの関心が急激に高まったようです。また、SpaceXとTeslaの最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏、Facebookの最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ氏がClubhouseに登場したことで高関心が続くこととなりました。
懐疑的にも見られていたClubhouseは、半年でTwitterがライバル視する存在に
2020年12月に米国で注目が集まったとされるClubhouseですが、リリース直後の5、6月には賛否両論の意見が確認されていました。シリコンバレーの一部で注目が集まり「Zoomの次のトレンドになるのではないか」というポジティブな意見もあった一方、収益化や規模拡大への道筋が見えないといったネガティブな意見も。
7月に入ると、創業者からClubhouseのユーザーへの感謝、将来の計画に関するメッセージが発信され、再度アメリカ市場で関心が高まりました。その後2カ月ほどは大きな関心はありませんでしたが、Clubhouse内での人種差別やヘイトスピーチが問題となり再度注目を集めることに。
10月にはメディア記事で「Clubhouseを始めとしたオーディオ関連スタートアップへの期待感が高い」といった内容が掲載され、また巨大テック企業のTwitterがClubhouseを意識した音声チャットルーム「Spaces」の実装を計画しているとの報道もあり、ますます世の中の関心を集めることとなりました。
Clubhouseの主な関心層は35~44歳の年収1000万円以上!?
Amobee Brand Intelligenceの分析結果によると、アメリカ国内でClubhouseに関心のある層は35~44歳の年収1000万以上の人々。特に年収2000万以上の層における関心が顕著に強いとのことです。
他のソーシャルメディアの場合、Instagramは女性層、Twitterは年齢および年収帯にばらつきがなく、Spotifyでは13~17歳の学生層。またこれらのソーシャルメディアはClubhouseほど関心層の偏りに大きな差がなく、Clubhouseは現状特定の層からの圧倒的な支持を得ている傾向があることが分かりました。
本国アメリカ市場を考慮した今後日本での可能性は
Amobee Japanでは本結果から、今後日本でも音声での生配信を活かしたプロのパフォーマンスの実施――例えば落語や講談、異なるアニメに出演する声優陣の交流などや、起業家のビジョンをリアルタイムで聞く機会がますます増え、Clubhouseならではの新しい体験により注目が集まる可能性があると分析しています。
また現状日本では幅広い人々に利用されているように感じられるものの、米国のメインユーザーの傾向同様、特定のユーザーに強く刺さり続けることでユーザー層は偏ってくることも考えられるとしています。